ヤサシイエンゲイ 私家版

巨大な花を咲かせる球根植物

アマリリス(ヒッペアストルム)

アマリリス
科名:ヒガンバナ科
学名:Hippeastrum × hybrid
原産地:南米
草丈:30cm〜50cm
主な開花期:5月-6月・7月〜8月
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(ふつう)

くわしい育て方

〔〕内は学名、H.はHippeastrumの略

アマリリス(ヒッペアストルム)とは

 ブラジルやペルーを中心とし、南アメリカに約70種が分布する球根植物です。ヒガンバナ科ヒッペアストルム属に分類されていますが、昔は同科アマリリス属に入れられていたので、その名残で今でもアマリリスと呼ばれています。あだ名でもそうですが、一度付いてしまった名前はなかなか変わらないようです。
 ヒッペアストルムはギリシア語のヒッペオス(騎士)とアストロン(星)からなりますが、由来は不明です。ちなみにアマリリスは古代ギリシャやローマの詩に登場する羊飼いアマリリスの名前から来ています。
 英名にナイトスター・リリー、バルバドス・リリー、メキシカン・リリーなどがあります。

姿形

 一般的にアマリリスの名で栽培されているのは様々な野生種から改良された品種群で、それらを総称して学名ではヒッペアストルム・ヒブルドゥム〔H. × hybridum〕と呼びます。
 線形や帯状の葉を球根から直接出します。温度管理で一年を通して花を咲かせることが出来ますが、日本の自然環境下では秋植えで5月〜6月、春植えで7月〜8月に開花します。球根から扁平な花茎を長く伸ばして、その先端に2〜6輪の花を咲かせます。球根は幾層もの皮膜に包まれており大きいもので球周30cmを越します。球根のタイプは鱗茎で、玉ねぎのようです。タネは黒色で平べったいです。
 花の形はろうと状で白、赤、オレンジ、ピンクなどがあり、多色になるものや、網目状に色が付くものなどがあり、多彩です。大きさも小輪〜巨大輪まであり、花びらの形も細くてとがったものや幅が広く丸っこいものがあります。また、一重のほか八重咲きもあります。
 大きさも堂々とした姿の大型種から、小さな鉢植えでも育てられる小型種まであります。

種類

シロスジアマリリス
シロスジアマリリス

交配種(園芸種)
・グラキリス〔H. × gracilis〕 オランダで作出された、鉢植えに向く中輪種です。
・ヘンリアエ〔H. × henryae〕 1950年に作出されたミニチュアタイプのアマリリスです。
野生種(原種)
・ヴィッタツム〔H. vittatum〕 ペルー原産、径15cmの花を1本の花茎に5輪前後付けます。花色は赤字に白の縦じま。はじめて作出された園芸種の片親です。
・レギナエ〔H. reginae〕 ブラジル原産、花色は赤で中心が緑、フチの部分が白っぽくなります。はじめて作られた園芸種の片親です。

・レオポルディー〔H. leopoldii〕 ペルー原産、巨大輪丸弁の園芸種の育成に一役買った種です。
・プニケウム〔H. puniceum〕 ギアナ〜ペルーに分布、花色が黄色がった赤色です。日本にはじめて入って来たのはこの種です。
・レティクラツム〔H. reticulatum〕 ブラジル原産、花は白でピンク色の編み目が細かく入ります。葉は中心線に沿って白い筋が1本入ります。変種のシロスジアマリリス〔var. striatifolium〕が鉢植えなどで流通します。

歴史

 17世紀後半、オランダ人によってヨーロッパに紹介されたのが、最初とされています。生きている状態で実物がもたらされたのは18世紀の初期、はじめて違う種同士を掛け合わせ改良に成功したのは1799年、イギリス人の時計職人の手によります。 その後、南米から様々な野生種が発見・導入されると同時に、様々な園芸品種も作られました。1870年には現在でもポピュラーな巨大輪丸弁のアマリリスが誕生しました。20世紀初期にオランダで画期的な増殖法が確立して大量生産が可能となり、さらに品種改良もすすみました。オランダは現在でもアマリリスの一大生産国です。
 日本には江戸時代天保年間(1830年〜1844年)に野生種のヒッペアストルム・プニケウムが入って来たのが最初です。 昭和初期から戦後にかけて育種が行われましたが当時の品種はほとんど残っていません。現存するものに神奈川農業試験所(現在のフラワーセンター大船植物園)で改良された大船系アマリリスなどがあります。現在は育種家により優れた品種が作出されています。

近い仲間

ヒッペアスケリア
ヒッペアスケリア

 近い仲間にアマリリス(真正)、スプレケリアがあります。
アマリリス(真正)は南アフリカ原産の球根植物で、アマリリス・ベラドンナ1種のみで構成されています。かつて属していたほとんどの種はヒッペアストラム属(ここで紹介しているアマリリス)に移動しました。初夏〜夏にかけて球根が出回りますが、たいがいが、英名のベラドンナリリーの名前で流通します。学名としては正真正銘こちらがアマリリスなので 、ホンアマリリスやシンセイ(真正)アマリリスという名もあります。
また、スプレケリアは径15cmほどの緋色の花を咲かせるメキシコ原産の球根植物です。花の形からツバメズイセンとも言われます。スプレケリア・フォルモシッシマ1種から構成されます。また、スプレケリアとヒッペアストラムが掛け合わさって出来た、ヒッペアスケリアがあります。

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