タギョウショウの育て方

マツ科 「た」からはじまる植物 花木・庭木

タギョウショウ
科名
マツ科
学名
Pinus densiflora ‘Umbraculifera’
別名
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原産地
園芸品種とされる
大きさ
~4m
主な開花期
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耐寒性
つよい
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

アカマツの園芸品種とされますが、出自はあまりはっきりしません。一説には、埼玉県の安行で江戸時代に偶然できたとも言われます。公園や庭園でときおり見かけます。関東なら新宿御苑で立派な木が見られます。

幹が株元近くからたくさん出るのが特長で、メインとなる太い幹はなく、ふつうのアカマツとは見た目が全く異なります。枝はやや水平方向に伸びて、きっちりと手入れすると、傘を広げたような半円形でまとまりのよい樹形になります。その様子はブロッコリーの株(スーパなどで売っている姿)を、水平な場所に立てて置いたような姿です。

葉っぱや枝はアカマツに比べると細めで、繊細な雰囲気を持ちます。樹皮はきれいな赤褐色で、このあたりでアカマツの仲間なのだと理解できます。

樹高は4mほどに生長します。芝生や池のそばなど、障害物のない場所に単植したり、見通しのよい散策道の脇に列植すると良く映えます。

ウツクシマツ

同じような株元から枝分かれするアカマツの変種にウツクシマツがあります。タギョウショウとは違って滋賀県湖南市に自生地があり、「平松のウツクシマツ」は国の天然記念物に指定されています。自然の樹形だからなのか、樹形はやや縦長に見えます(厳密には4タイプの樹形に区別される)。

育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 2月下~4月 / 10月~11月中
みどり摘み 4月中~5月中
もみあげ 11月中~12月中
肥料 2月

日常の手入れ

ある程度樹形がまとまりますが、手入れしないと美しい姿はキープできません。マツ類を手入れする際の基本である、「みどり摘み」と「もみあげ」は毎年必要です。

みどり摘みは春に出る新芽を一部摘み取ることです。新芽が軟らかい春頃に指で摘み取るのが好ましいですが、新芽が硬くなった後や、手間がかかる場合は、ハサミで刈りこむこともあります。

もみあげは秋に枝をしごいて、古い葉っぱを取り除くことです。暮れ~年始め頃に行うことが多いです。

枝がたくさん出て雑多に茂るので、適宜枝を間引くことも大事です。そうしないと、内部の日当たりが悪くなり、枝枯れを起こす原因にもなります。特に細くて弱々しい枝は早めに切り落としてしまいましょう。

日当たり・置き場所

性質はアカマツに近いので、育て方もアカマツに準じます。日当たりと水はけのよい肥沃な土質の場所が適しています。日陰や湿地ではよく育ちません。

水やり・肥料

極端なやせ地でなければ、追加の肥料は与えなくても育ちます。与える場合は2月頃に油かすと化成肥料を混ぜたものを少量施します。

かかりやすい病害虫

ハマキムシの発生が見られます。

植え付けと用土

植え付けの適期は2月下旬~4月、10月~11月中旬が適期です。植え穴の底には鶏糞などの肥料を少量入れておきます。

ふやし方

タネをまいても、同じような樹形に育たないことが多いので接ぎ木で増やします。台木にはクロマツやアカマツの2~3年生苗を用います。クロマツを台木に用いた場合、葉はやや繊細さがなくなり、太くなります。

その他の画像

1.葉っぱ 2.幹 3.平松のウツクシマツ

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