シレネ

ナデシコ科「し」からはじまる植物

シレネ
ペンデュラの園芸品種
この植物の育て方
科名
ナデシコ科
学名
Silene
別名
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原産地
北半球 南アフリカ
大きさ
高さ20cm~60cm
開花期
5月~7月
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

北半球と南アフリカにおよそ200~300種が分布します。一年で枯れる一年草、毎年咲く多年草、大きく生長して低木状になるものなど、種によって形態は様々です。その中で主に草花として園芸で親しまれているのはシレネ・アルメリア(ムシトリナデシコ)とシレネ・ペンデュラ(フクロナデシコ)の2種です。いずれも春から初夏に書けてサクラソウに似た可愛らしい花を咲かせます。

名前の由来

ギリシア語のシャロン(sialon:唾液)に由来する、ギリシア神話のシレヌスから来ているなど諸説あります。シレネはねばねばした分泌物を茎から出すものが多く、いずれもそこに由来します。ギリシア神話由来説は、シレヌス(酒神バッカスの旅の供、賢者、義父、師匠などと言われる)が泥酔して泡を吹いた様子を表しているとされます。


種類

〔〕内は学名、S.はSileneの略

シレネ・アルメリア〔S. armeria〕

ヨーロッパ中南部原産の一年草です。茎はすくっと上に伸び、上の方に行くと枝分かれします。草丈は30cm~60cm、茎や葉は表面に白い粉をはたいたように見えます。茎の先端に紅桃色の花をまとめて咲かせます。また、淡紅色や白花も知られます。園芸ではボール状に小花がまとまって付く玉咲きの品種が栽培されます。日本には江戸時代末に渡来し、強い繁殖力から野生化しています。

花の付け根や上部の茎の節からねばねばした分泌物をだし、虫がよくくっつくところから「ムシトリナデシコ」とも呼ばれます。英名のcatchfly(キャッチフライ)も同じ理由でしょう。虫は単にくっつくだけで吸収されるわけではなく、食虫植物ではありません。

コマチソウ(小町草)、ハエトリナデシコとも呼ばれます。また、英名でNone-so-Prettyと言う呼び名もありますが、由来はわかりません。

シレネ・ペンデュラ〔S. pendula〕

地中海沿岸原産の一年草です。草丈は15cm~20cm、茎は地際から細かく枝分かれしてよく茂ります。茎葉には縮れた白毛が生えます。花色はピンク、淡紅、白などで、満開時は株を埋めるほどたくさん咲き、カーペット状になります。花の後ろにあるがくの部分が膨らんで袋状になるところから、フクロナデシコの和名があります。日本には明治の中頃に入ってきました。園芸品種にはコンパクトにまとまるものもあり、鉢植えにも適します。

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