夏、秋花壇の定番

サルビア

シソ科 「さ」からはじまる植物

サルビア
この植物の育て方
科名
シソ科
学名
Salvia splendens
別名
ヒゴロモソウ
原産地
ブラジル
大きさ
高さ30cm~60cm
開花期
7月~10月
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

サルビアは広い意味では『シソ科サルビア属』の植物すべてを指し、ハーブとして知られるセージ(薬用サルビア)もその仲間に入ります。その総数は500種以上と言われています。

園芸では単に『サルビア』と言うと、サルビア・スプレンデンスとそれらの園芸品種のことを指します。夏・秋花壇、プランター植えでよく見られる緋色のサルビアはたいがいこの種です。しかし、それ以外にもよく知られているサルビアの仲間がたくさんあります。ここでは『春にタネをまいて夏~秋に花を楽しむ 』・『寒さに弱く晩秋には枯れ一年草として扱う』・『花壇の植物として比較的良く普及している』、この3つを満たすものを『サルビア』として扱い、その他の種も紹介します。

名前の由来

サルビアの名前はラテン語のsalvero(健康である、健在である)に由来し、サルビアの一種に薬効があることにちなみます。サルビアの仲間はハーブとして用いられるものも多く、なっとくの名前です。


主な仲間(一年草扱い)

〔〕内は学名、S.Salviaの略

スプレンデンス〔S. splendens〕

最も一般的なサルビアです。ブラジル原産、本来毎年花を咲かせる多年草で、和名をヒゴロモソウ(緋衣草)と言います。スプレンデンスは「光り輝く」「素晴らしい」という意味ですが、由来はよくわかりません。寒さに弱く日本では霜の降りる晩秋には枯れてしまうので、毎年春にタネをまいて夏~秋に花を楽しむ春まき一年草として扱います。日本には明治時代の中頃に入ってきました。

花色は緋色で先端の開いた筒形、段状にたくさん付きます。花茎の基部には花びらを包むような緋色のがくがあります。花びら自体は咲いたあと1日ほどで落ちてしまいますが、がくは長い間鮮やかな色がそのまま残ります。園芸品種には紫や白、サーモンピンクなどの花色があります。ユニークなものに花が白と赤のツートンカラーになる「トーチライト」があります。緋色の定番品種に「ホット・ジャズ」「ボン・ファイヤー」などがあります。

草丈は原産地の野生のもので1mほどになりますが、冬に枯れてしまう日本の気候では育って80cm程度です。花壇に植えられるものは主に草丈を低く改良した園芸品種です。最も草丈の低い品種では20cmほどにおさまります。

ファリナセア〔S. farinacea〕

北アメリカ原産、その花色からブルーサルビアの名前で親しまれています。多年草ですが、日本では一年草として扱います。茎は直立し花穂は20cmほどに伸び、小さな青紫色の花をたくさん付けます。青色が深くて細かく枝分かれする'ビクトリア'やその白色品種'ビクトリア・ホワイト'などの園芸品種があります。

コッキネア〔S. coccinea〕

南アメリカ原産の一年草で、ベニバナサルビアとも呼ばれます。花付きはややまばらですが、鮮やかな緋色は人目を惹きます。園芸品種に紫花や赤と白のツートンカラーになるものがあります。

主な仲間(多年草扱い、その他)

冬を越して毎年開花する多年草扱いのサルビアも広く栽培されています。一般的には「○○セージ」の名前で親しまれているものが多いです。くわしくは各種を紹介したページを参照にしてください。

エレガンス〔S. elegans〕

別名パイナップルセージ。葉っぱをこするとパイナップルのような香りがします。主な開花期は秋から冬の初めで、目の覚めるような鮮やかな緋色の花をを穂状に咲かせます。エレガンスは「優雅な」という意味です。

レウカンサ〔S.leucantha〕

別名アメジストセージ、メキシカン・ブッシュセージ。フェルトのような細かい毛の生えた紫色のがくが非常に目立ちます。生育旺盛で、低木状に育ちます。主な開花期は夏の終わりから秋の終わりです。

ミクロフィラ〔S. microphylla〕

別名チェリーセージ。葉っぱをこすると完熟フルーツのような甘い香りがします。花は鮮やかな緋色ですが、赤と白のツートンカラーになる園芸品種も広く親しまれています。

グァラニティカ〔S. guaranitica〕

別名メドーセージ。青に近い濃いすみれ色の花を咲かせます。主な開花期は春から秋にかけてです。地下茎を伸ばして良く広がります。

スクラレア〔S. sclarea〕

別名クラリーセージ。花後に枯れることが多く、一般的には二年草として扱います。一株でも非常に大きくなり、存在感があります。オニサルビアの和名があります。

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