クリンソウの育て方

大型のサクラソウ類

サクラソウ科 「く」からはじまる植物 山野草

クリンソウ
科名
サクラソウ科
学名
Primula japonica
別名
九輪草 (漢字表記)
原産地
日本
大きさ
30cm~90cm
主な開花期
4月~6月
耐寒性
つよい
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

クリンソウは北海道~本州、四国の山間部に分布する多年草で、サクラソウの仲間です。湿り気のある環境を好み、山野のせせらぎや渓谷の湿地に自生します。へらの形をした長さ20cmほどの葉を地際から放射状に出し、中心を縦に走る葉脈は白色で太く目立ちます。葉は明るい緑色で表面は少しぼこぼこしており葉脈が細かく入ります。

春になると株の中心から花茎を伸ばし、花茎をぐるりと囲むように同じ高さの場所にサクラソウのような花を数輪咲かせ、それが階層状になります。 草丈は大きなものでは90cmほどになり、サクラソウの中ではもっとも大型の部類になります。 花色は濃い紅紫色です。

花色がピンクや白、絞り咲きなどの変種も知られています。園芸品種はヨーロッパでいくつか作出されたものがありますが、あまり知られていません。

名前の由来

漢字では九輪草と書きます。これは、花の咲き方がお寺の屋根の先端に付いている「九輪(くりん)」に似ているところから来ています。種小名のジャポニカ(japonica)は「日本産の」の意味です。


育て方

栽培カレンダー

栽培カレンダー

主な作業の適期

植え付け 2月~3月 / 9月中~10月中
肥料 3月~10月

日常の手入れ

乾燥に弱く、夏の暑さを嫌がるので水やりと夏の管理がポイントとなります。

日当たり・置き場所

秋~春まではよく日が当たり、夏の間は日陰になる広葉樹の下などに自生します。基本的な性質は強いのですが、高温多湿に弱い性質があり夏の暑さを嫌がります。花が咲き終わるまでは日当たりの良い場所で育てますが、それ以降は直射日光の当たらない明るい日陰が適しています。特に西日は暑さだけではなく、極端に土を乾燥させるので注意が必要です。

寒さには強いので、防寒する必要はありません。

水やり・肥料

小川の岸辺のような湿地を好む植物で、乾燥や水切れには非常に弱いです。春~秋の生育期は土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えるようにします。休眠中の冬も極端に乾かさないよう、土の表面が乾いていたら水を与えます。水切れ状態になるとすぐに葉っぱがしおれてしまうのでそうなる前に水を与えましょう。

すぐに水切れをする場合は受け皿を敷いて水をため、底から水を吸わせる「腰水」で管理してもよいでしょう。

肥料はさほどたくさんは必要ありません。生育期間中、2週間に1回の割合で薄めの液体肥料を与えます。

かかりやすい病害虫

春以降にアオムシやヨトウムシなど葉を食べる害虫が発生します。

植え付けと用土

根の生育がおう盛なので、鉢植えのものは1~2年に1回植え替えます。鉢の中が根でいっぱいになると用土の保水力も落ち、水をこまめにやっても十分に水が吸えず、すぐに水切れでしおれてしまいます。植え替えの適期は新葉が出てくる直前、2月~3月もしくは休眠に入る手前の9月中旬~10月中旬です。

あまり土質は選びませんが、水もち・水はけのよい土が適しています。鹿沼土7:軽石砂もしくは日向土(ともに小粒)3の割合で混ぜた土が適しています。地植えの場合も、水もちの良い場所を選ぶか鹿沼土などを混ぜて保水力を高めます。

ふやし方

株分け、タネまきでふやすことができます。

株分けは植え替えと同時に行います。ナイフで1芽ずつ切り分けてそれぞれを鉢に植え付けます。

タネまきは6月-7月頃に採取してすぐにまきます。一定の低温に合わないと発芽しない性質で、発芽は翌春になります。タネは乾かすと発芽力が極端に落ちます。

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