早春の小球根

クロッカスとは

アヤメ科 「く」からはじまる植物 球根植物

クロッカス
この植物の育て方
科名
アヤメ科
学名
Crocus
別名
ハナサフラン
原産地
地中海沿岸
大きさ
高さ10cm~20cm
開花期
2月~4月 (秋咲き種もある)
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

地中海沿岸から小アジアにかけて約80種類が分布する球根植物です。早春に花を咲かせるものが一般的にクロッカスの名前で通っていますが、秋に花を咲かせるグループもあります。ちなみにスパイスとして有名なサフランは秋咲きクロッカスの仲間です。

名前の由来・利用

クロッカスの名前はギリシア語のクロケ(糸)に由来し、糸のような細長いめしべを持つ種があることにちなみます。秋に球根を植え付けて、春に花を楽しむのが一般的です。鉢植え、花壇植えの他、水栽培でも育てられます。

姿形・生態

球根から線状の葉を出し、同時に葉の間からつぼみがにょきにょき伸びてきて花が咲きます。葉には縦方向に白い溝が走り、付け根は薄い膜のようなさやで束ねられています。開花時、葉の長さは花の高さと同じか低いくらいですが、花が咲き終わったあと一気に伸びて茂ります。花後に茂った葉っぱで栄養を作って一生懸命新しい球根をこしらえ、その後葉が枯れて休眠します。休眠から冷めると球根に蓄えた栄養で一気に花を咲かせます。毎年この生育サイクルを繰り返します。

花は下の方が細長い筒状で、先端が6枚の花びらになって開きます。花は日差しを浴びて気温が高くなると開きます。曇りの日や夕方以降は気温が低くなるので閉じます。花色は豊富で、黄色、白、紫、赤紫、藤色、クリームなどがあります。また、網目状に模様が入る絞り咲きもあります。

クロッカスは球根から直接、葉や花が伸びて茎がないように見えますが、実は地下の球根が茎に当たります。詳しくいうと、クロッカスの球根は茎が縮まって肥大したもので、正しくは球茎といいます。球根を包む皮は革質、繊維質、膜質など、種によって見た目が異なり、球根の形と併せて種を区別する際の目安となります。

種類 (春咲き)

〔〕内は学名、C.はCrocusの略

クリーサントゥス〔C. chrysanthus〕

小アジア、バルカン半島に分布します。基本種の花色は黄色ですが、同種の中でも非常に変化があり、それらを元にカラフルな園芸品種が作られました。

フラーブス〔C. flavus〕

ヨーロッパ南東部から小アジアに分布します。花色は黄色で多花性、次々と花を咲かせます。

シーベリ〔C. sieberi〕

ギリシア分布、花は白で2月頃から花を咲かせ、寒咲きクロッカスとも呼ばれます。

ベールヌス〔C. verunus〕

ヨーロッパの山岳地帯に分布します。開花期は3月中旬以降と春咲き種の中では遅めです。花色は紫か白です。多くの春咲き園芸品種が作られ、本種から作られたグループは「ダッチ・クロッカス」と呼ばれます。


種類 (秋咲き)

サフラン〔C. sativus〕

サフランとは」を参照してください。

スペキオスス〔C. speciosus〕

トルコやコーカサスに分布する秋咲きの代表種です。花は藤色で底の部分が白っぽくなり、花びらにはブルーの筋が入ります。主な開花期は10月中旬です。

メディウス〔C. medius〕

イタリア北西部、フランス南東部に分布します。花は淡い紫色で濃い紫色の筋が入ります。主な開花期は11月です。

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