ヤサシイエンゲイ

ヒヤシンスの育て方

ヒヤシンスユリ(キジカクシ)科 学名:Hyacinthus orientalis  用途 鉢植え 露地植え 水栽培
難易度 バー バー バー バー バー(育てやすい)

耐寒性 バー バー バー バー バー(つよいほう)

水栽培でよく知られる球根植物です。中海沿岸にかけておよそ30種が知られていますが、育種改良・栽培されているのはオリエンタリス1種のみです。群植すると花どきは非常に豪華です。

栽培カレンダー
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花期
  バー バー バー                
植え付け
                バー バー    
掘りあげ
        バー バー       バー バー バー
肥料
バー バー バー                  

季節・日常の手入れ ポイント
ダッチとローマン
ヒヤシンスにはダッチ系とローマン系があります。単にヒヤシンスというとダッチ系を指すのが一般的で、水栽培にするのもこちらの方です。主な特長は以下の通りです。

ダッチ系…水栽培によく利用される。一本の茎にたくさんの花が付いてボリュームがあり豪華。球根は自然に分球しにくく増えにくい。

ローマン系…一本の茎に付く花の数は少ないが、ひとつの球根から数本の花茎がでます。球根は自然分球しやすくよく増える。

花がら摘み
花が枯れてきたら花がらを手でつみ取りましょう。花がらを摘むのはタネができて球根を弱らせないためですので必ず行いましょう。花茎ごとばっさりと切ると切り口から雑菌が入って腐ってしまうことがあるので、面倒でも花がらだけつみ取るようにします。特にダッチ系の品種は花茎が太くて、切ったときの断面積も大きいので、雑菌が入りやすいです。

球根の掘りあげ
花後は葉が黄色くなってきたら掘り上げます。とくに、鉢やコンテナに植えているものは数年間植えっぱなしにしておくと生育が悪くなるので、新しい用土で植え替えます。毎年掘りあげる必要はなく、2~3年に1回を目安におこないましょう。

掘り上げた球根は陰干ししてまわりの土をよく落とし風通しのよい涼しい日陰で貯蔵して秋になったら植え付けます。球根の乾燥をしっかりしないとカビてダメになることがあるので注意しましょう。

水栽培
水栽培は基本的に一度花を咲かせると来年咲かせるのは難しいのですが花のあとに根を折らないようにして土に植え替えて球根を太らせる事で次の年も花を咲かせることもできます。しかし確実に花が咲くという確証はないので、水栽培する場合は一年限りと割り切った方がよいでしょう。

■水栽培の仕方
水栽培1根がでるまで球根は涼しくて暗い場所に置いておきます。水栽培には「水栽培用」と明記されてものを利用しましょう 水栽培2根が伸びてくるにつれて徐々に水を減らしていきます。これは根が呼吸をするためです。水は汚れるので一週間に1回は取り替えましょう

日当たり・置き場所

日当たりのよい場所が適しています。ヒヤシンスは一定の低温に当たらないと花芽がつきません。また、花芽が付いても茎が全く伸びずにいじけたように株元で咲くこともあります。水栽培などの室内で育てるのに向いているものも12月くらいまでは外で管理して、寒さに充分当ててから室内に取り込むと花がよく咲きます。寒さには強いので鉢植えにしている場合でも特に室内に取り込む必要はありません。葉が枯れて休眠に入ったら、鉢植えは雨の当たらない場所に置きます。

水やり・肥料
生育期(植え付けてから葉が枯れるまで)は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。その後は徐々に休眠に入っていくので水やりの回数を減らして6月頃にはストップします。

植え付ける際にあらかじめゆっくりと効くタイプの肥料を混ぜ込んでおきます。その後芽が伸びてきて花が咲くまでの間、1週間~10日に1回のペースで液体肥料を追肥として与えます。

用土
水はけがよく軽い土が最適です。鉢植えにする場合は赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1の割合で混ぜた土を使用します。庭植えにする場合はできるだけ水はけの良い場所を選んで消石灰を植え付ける前にまいて酸性を中和しておきましょう。ヒヤシンスは酸性の土壌を嫌います。

植え替え・植え付け
球根の植え付け球根の植え付けは10月に行います。庭植えは球根1.5コ分のスペースを空けて10cmの深さに植えます。鉢植えは5号鉢(直径15cm)の鉢に1球が目安ですが一年限りと割り切るなら(来年を同じ球根を育てる気がない場合)なら球根と球根がくっつくくらい詰めて植えると花が咲いたときゴージャスな鉢植えになります。鉢やプランターは球根の頭が土の上に出るくらい浅く植え、根が十分に張れるスペースを確保しましょう。

ふやし方
ダッチ系(一般的なヒヤシンス)の球根は自然に分球しにくいので(ローマン系は自然分球しやすい)、ふやしたい場合は人為的に球根に傷を付けてふやします。掘り上げた球根を7月頃に底から半分くらいの深さに十文字に深く切れ目を入れます。秋に植え付けるまで風通しのよい涼しい場所に置いておくと切れ目に小さな球根がつきます。これをそのまま土に植え付けて育てると2年から3年くらいで花の咲く大きさの球根になります。ただし傷を付けた親球は犠牲になり花は二度と咲きません 。

■ふやし方
ふやし方1球根の底から半分くらいの深さまで切り込みを入れます。使用するナイフ類はよく消毒しておきましょう。こうすると球根はもう花をつけない ふやし方2切れ目に小さな球根がつくので、秋になったら土に植え付けます。2~3年育てると花の咲く大きさに生長します

かかりやすい病害虫
軟腐病にかかることがあります。細菌性の病気で球根に傷があるとそこから入り込みます。発病すると球根が溶けるように腐っていきます。残念ですが、被害に遭ってしまった株は処分します。

まとめ 
一定の寒さに当てないと花が付かない
枯れた花は1つずつ摘み取り、花茎は切らない
2~3年に1回掘りあげる

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