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ハギの育て方

注意ハギの中でも一般的で庭木としてもよく利用されるミヤギノハギを中心に説明いたします

ハギマメ科 学名:Lespedeza 用途 鉢植え 露地植え
難易度 バー バー バー バー バー(そだてやすい)

耐寒性 バー バー バー バー バー(つよい)

日本人には古くから愛されており、万葉集に最もたくさん読まれている落葉性の低木です。ハギの仲間、マメ科ハギ属は日本を含む東アジアと北アメリカに約20~40種ほどの野生種が知られています

栽培カレンダー
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開花期
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花芽分化
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植え付け
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剪定
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肥料
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季節・日常の手入れ ポイント
剪定はハギを育てる上で一番大切な作業で、逆を言うとこれ以外の手入れはあまり必要ありません。

剪定落葉してから芽が出る前の2月頃が作業の適期です。株元から10~30cmの位置ですべての枝をばっさりと切り戻すのが基本の剪定です。ハギは春に新しく伸びた枝の上半分に花を付け、古い枝には花が咲きません。毎年ばっさりと刈り込んで春に新しい枝がを出させることで花付きも良くなると言うことです。落葉した枝は切らずにほおっといても寒さに当たると地際まで枯れてしまいますので、いずれにしても切ることになります(キハギなど枯れない種もあります)。

株を小さく仕立てたい場合や伸びすぎた枝を短くしたい場合は6月頃までなら剪定・刈り込みは可能です。それ以降は枝に花芽が付き、花芽ごと枝を切り落とすことになり、花付きが極端に悪くなります。ただし、弓状にしなった自然本来の姿が美しく、刈り込んで形を整えるには適さない樹種です。
放任しておくと枯れ枝が目立ち花付きも悪くなります。

日当たり・置き場所
日当たりと水はけのよい場所が適しています。日当たりが悪いと極端に花付きが悪くなります。土質は選ばず、やせ地でもよく育ちます。根が浅い位置に広く張り、枝がしだれるように伸び、水はけの良い場所を好むので斜面に植えるのに適しています。

水やり・肥料
生育期に水切れさせてしまうと葉が枯れ込んでしまいますので、鉢植えの場合ひどく乾かさないように気をつけます。

落葉期の2月頃に鶏糞や油かすを根元に少量施すと春から枝葉の伸びが良くなりますが、根についた根粒菌(こんりゅうきん)から空気中のチッソ(主に枝葉の生長に大切な肥料の成分)を取り込んで吸収できるので別段与えなくても育ちます。株を小さく育てたい場合、肥料は与えません。

用土
水はけの良い用土が適しています。鉢植えにする場合は赤玉土(小粒)5:腐葉土3:鹿沼土2の割合で混ぜた土を用います。

植え替え・植え付け
植栽適地植え付けは落葉期ならいつでも可能ですが、寒冷地では厳寒期の作業は避けます。芽の出る時期は比較的早いので3月頃までに終わらせます。水はけを良くするために土を山高に盛って植え付けます。

鉢植えの場合、鉢が小さいと土が乾きやすく水切れを起こしやすいので、水はけの良い用土でやや大きめの鉢に植え付けます。

ふやし方
株分け、さし木でふやすことができます。

株分けは落葉期が適期です。枝をばっさり刈り込んだあと(季節・日常の手入れを参照)、根を掘り上げて株を縦に割るような感覚で真上からスコップを付き入れて分けます。根は比較的浅い位置に広く張るので、深めにスコップを入れると根のダメージが少なく掘り上げられます。

さし木は春ざしと夏ざしの2つの方法があります。用土は赤玉土や鹿沼土を用います。

春ざしは前年の枝を用います。2月頃に鉛筆より太めの枯れていない枝を20cmに切り、枝の下2/3ほどが土の中に埋まるよう深めに挿します。

夏ざしは春に新しく伸びた枝を用います。6月頃に枝を10-15cmの長さに切り、水に挿して充分吸水させた後枝の下半分が土に埋まるように挿します。

かかりやすい病害虫
さび病
さび病は葉の表面に褐色の斑点ができ、オレンジ色や赤さび色の粉を吹いて葉を枯らします。株の風通しが悪くなり多湿になると発生しやすい病気です。毎年ちゃんと剪定(季節・日常の手入れを参照)をして風通しを良くしておくとほとんど発生しません。発生してしまった場合は早めに殺菌剤をまきます。

まとめ 
落葉後にばっさりと刈り込む
日当たりと水はけの良い場所を好む
肥料は与えなくても育つ

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