
- 科名
- ヤシ科
- 学名
- Phoenix canariensis
- 別名
- フェニックス
- 原産地
- カナリア諸島
- 大きさ
- 5m~20m
- 主な開花期
- 6月
- 耐寒性
- つよい
- 難易度
- ★★★☆☆(ふつう)
こんな植物です
カナリア諸島原産のヤシ類で、属名でもある「フェニックス」の名ででよく知られています。ヤシ類の中でも比較的寒さに強くて丈夫なので、日本でも暖地を中心に植栽されています。街路樹や公園などに利用さるほか、観光地ではホテルの敷地などにも植えられ、南国リゾートっぽい雰囲気を演出するのに一役買っています。宮崎では県木のひとつに指定されています。
日本で植えられているものの多くは、純系のカナリーヤシではなく他の種とかけあわさってできた雑種だと言われています。また、原産地のカナリア諸島でも野生の木は少ないとされています。
姿形・花と果実
日本で植栽されているものは、樹高5m~10m程度に収まっているものが多いですが、本来は20mにも達する高木です。幹は枝分かれせずにまっすぐ伸び、先端から羽状に細かく切れ込んだ長い葉っぱを八方に広げます。葉っぱの付け根は鋭いトゲ状になっています。
葉っぱは年月を経ると徐々に垂れ下がっていき枯れます。枯れた後も長期間幹にくっついたままになっていますが、最終的に葉の付け根あたりから落葉します。落葉した跡は格子状の特徴的な模様になります。
雄の木と雌の木があり、雄の木は雄花を咲かせて花粉をつくり、雌の木は雌花を咲かせて実を付けます。雄花の花穂は垂れ下がるように、雌花の花穂はホウキを逆さに立てたように付きます。雌花は受粉すると果実をたくさん付けた房状になります。果実のついた茎は自らの重さで垂れ下がります。果実は熟すと黄色~オレンジ色になります。
名前の由来
属名のフェニックスはギリシア語で「フェニキア人」を意味する言葉から来ていると言われています。カナリーヤシの仲間に赤紫色の果実を付けるものがあり、その色がフェニキア人によって染められた布の色に似ているのが理由とされます。ただ語源には諸説あり、伝説上の鳥、フェニックスから来ているとも言われ、はっきりしません。
仲間
フェニックス属はおよそ17種が知られ、カナリーヤシ以外にはナツメヤシやシンノウヤシが比較的よく知られています。
育て方
- 耐寒性は強いが、温暖な気候を好む
- 大きくなるので基本的に地植え
- 植え付け適期は春~初夏
●ポイント
栽培カレンダー

主な作業の適期
植え付け | 4月下~7月上 |
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日常の手入れ・ふやし方
手入れは特に必要ではありませんが、枯れた葉っぱは長期間幹にくっついたままになるので、見た目が気になるなら、枯葉は付け根から切り取ります。葉っぱは鋭いトゲになっているところがあるので、作業の際は気をつけましょう。ふやし方は、タネまきです。
植え付け
耐寒温度はマイナス5℃~マイナス10℃程度で、栽培適地は関東より西の太平洋側です。耐寒性が強いと言っても、やはり温暖な気候でよく育ちます。生長はゆっくりですが、大きくなるので、基本的に地植えにします。小さな幼木は鉢植えにして、観葉植物として屋内で楽しむこともできます。
植え付けの適期は気温が高くなって霜の心配がなくなる4月~7月頃です。真夏は根が乾燥し、秋以降は徐々に気温が低下していくので、根を傷める植え付けなどの作業は避けます。
注意点
葉を出す芽が幹の頂点にしかなく、枝分かれする能力がありません。ですから、幹を切り落としてしまうと葉を出すことができずに枯れてしまいます。
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シュロ
ヤシ科 難易度★★☆☆☆
枝はなく、幹がまっすぐに伸びて、その頂点に円形で扇状に深く裂けた葉を四方に伸ばします