ヤサシイエンゲイ 私家版

ネギとはまた違った風味を楽しむ

ワケギ

ワケギ
科名:ユリ科(ネギ科)
学名:Allium ×wakegi
学名:分葱《漢字表記》
原産地:よくわからない(ギリシア、シベリアなど)
草丈:15cm-30cm
主な収穫期:1月-4月

難易度バー バー バー バー バー (そだてやすい)
耐寒性バー バー バー バー バー (つよい)
耐暑性バー バー バー バー バー (ふつう)

ワケギとは

古くはネギの変種とされていましたが、近年になり染色体レベルで調べられた結果、ネギとエシャロットの雑種だということが明らかになりました。細かく言うとエシャロットの花粉をネギが受粉してできたのがワケギなのだそうで、ネギが母親でエシャロットが父親ということになります。エシャロットはタマネギの仲間(正確には『分球性タマネギの』一種とされています)なので多少乱暴ですが、ワケギはネギとタマネギの雑種とも言えるかも知れません。
明確な原産地はよくわからず、ギリシアなど西アジア〜地中海沿岸とも言われていますし、シベリアとも言われています。
地際に鱗茎(球根)をつくり、葉が何本も立ち上がります。太さはネギより少し細い感じで、丈は30cmほどになります。タネはできないので、鱗茎を植え付けて育てます。

ワケギの産地・由来

昔々は南西諸島など亜熱帯地域で多く栽培されていましたが、現在ではポピュラーな野菜として西日本を中心として広く栽培されています。一大生産地は広島の東部沿岸地、三原市・尾道市・向島町あたりで生産される「広島わけぎ」で、全国のわけぎシェアの9割を誇るそうです。
漢字で「分葱」と書きます。よく株が分かれて葉がたくさん茂るところから名付けられたのでしょう。
学名は「Allium ×wakegi」(間に挟まっている「×」は交雑種(雑種)を表します)、ワケギという単語がそのまま使われています。冒頭にも出ましたが、ネギの変種とされていたころは「Allium fistulosum var. caespitosum」という学名が付けられていました。

育て方

栽培カレンダー
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
収穫
バー バー バー バー                
植え付け
          バー バー バー
肥料
バー バー バー             バー バー バー

品種の選び方
早生種と晩生種がありますが、あまり細かい品種はありません。

場所、用土
日当たりの良い場所でよく育ちます。 肥沃な土が適しており、プランターに植える場合は赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜた用土を用います。土にはあらかじめ堆肥や化成肥料を混ぜ込んでおきます。

植え付け ポイント
球根を植え付けて育てます。早生種は7月ころに植え付けて年内から収穫することができますが、標準では夏の終わりから秋に植え付けて翌春から収穫します。
球根がたくさんくっついた状態の株は2〜3球ずつに手で分け、球根を傷付けないように外皮を丁寧に取り除きます。10cm〜15cm間隔で球根の先端が土の上に出るくらいの深さに植え付けます。深すぎると球根が腐ることがあり、浅すぎると株がぐらついてまっすぐ葉が伸びずに倒れやすくなります。

肥料
植え付け後、葉が10cm程度の長さに生長したら20日に1回程度化成肥料や油かすを適量施します。プランターや鉢の場合、液体肥料を週1回程度与えると良いでしょう。

収穫 ポイント
葉が20cm〜30cmほどの長さに伸びたら、株元から4〜5cmの位置で葉を刈り取り収穫します。地際ぎりぎりで刈り取ってしまうと、次に出てくる葉の伸びが悪くなるので気をつけます。
収穫後も肥料を続け、再び葉が伸びたら刈り取って2度目の収穫します。このようにして繰り返し何度か収穫できますが、根っこごと引っこ抜いて収穫しても、もちろんかまいません。

タネ球の保存
翌シーズンも楽しみたい場合は、タネ球を保存しておき適期に植え付けます。タネ球を買い直しても良いのですが、保存は難しくないのでやってみましょう。
まず、タネ球にする株は収穫もそこそこにし、葉を生長させます。1〜2度の収穫後、残す株と収穫する株を決めておくと良いです。5月ころになると球根が太って葉が倒れ、休眠に入ります。掘り上げる時期が早いと球根が充分に育っておらず乾燥させたときひからびたり、腐って消えてしまうことがあるのでタイミングが大切です。葉が倒れ、黄色くなって枯れてきたとき、時期にして5月に入ってからが堀上げの適期です。
引っこ抜いた株は土をよく落とし、束ねて風通しの良い日陰でよく乾かし貯蔵します。

関連するページ
ワからはじまる植物
ユリ科
ハーブ・野菜の仲間