ヤサシイエンゲイ

コットン

ワタ

ワタ
科名:アオイ科
学名:Gossypium
原産地:世界の熱帯・亜熱帯
草丈:80cm-1.5m
開花期:7月-9月

難易度バー バー バー バー バー (やさしい)
耐寒性バー バー バー バー バー (よわい)
耐暑性バー バー バー バー バー (つよい)

ワタとは

はじける前の果実
はじける前の果実
ワタの花
ワタの花
しぼんだ花
しぼんだ花はオレンジ色
ワタの葉っぱ
葉っぱ

世界の熱帯・亜熱帯に約40種類が分布する多年草です。s花後にできる綿毛が繊維(要するに「綿」)となり、種子からは油がとれます。厳密に言うとあのふわふわした綿はタネから生えた毛です。

工芸作物(収穫後、工業的に加工された上、利用される農作物。畳表の原材料になるイグサや、タバコも同じ工芸作物です)として重要度の高い植物ですが、花後にできる綿がはじけた姿(コットンボール)がユニークで切り花やドライフラワーなど観賞用としての需要があり、人気があります。

本来は毎年花を咲かせる多年草ですが、寒さに弱く冬には枯れてしまうことが多いため、園芸上は一年草として扱われます。草丈が1.5mほどになる高性ワタと草丈が20cmほどの頃から花を付けて最終的に80cmくらいになるドワーフコットンなどが、タネも市販されおり比較的入手しやすいです。

主な開花期は夏で、ハイビスカスに似た姿の花を咲かせます。花色は淡い黄色で花の中心には赤黒っぽい目があります。花はしぼむとオレンジ色になります。短命な花で一日でしぼんでしまいますが、暑い時期は次々と咲かせます。葉っぱは手のひらを広げたような形で、奇数(3~7)に裂けます。 花後は紡錘形にふくらんだ果実ができて、秋にはじけて中からもりもりっと綿を出します。

アカバナワタ〔Abelmoschus moschatus subsp. tuberosus〕はワタと名前は付きます別属の植物で仲間ではありません。

由来

属名のゴッシピウムはワタのラテン語名ゴシッピオン(gossypion)が語源と言われていますが、アラビア語説などもあり、はっきりしません。

種類

〔〕内は学名、G.はGossypiumの略

アルボレウム〔G. arboreum〕
俗に和名で「ワタ」というと本種を指す。インド・熱帯アジア原産、アジアワタとも呼ばれる。高さは3mほどになる。

ヘルバケウム〔G. herbaceum〕 
和名インドワタ、小アジア・インドに分布。高さは30cm~1.5mほど。

バルバデンセ〔G. barbadense〕 
和名ペルーワタ、熱帯アメリカ原産。高さは1.5m~3mほどになる。

ヒルスツム〔G. hirsutum〕 
和名ケブカワタ、中央アメリカ原産。高さは1.5mほど。

育て方

栽培カレンダー

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花期
            バー バー バー      
開絮※時期
                バー バー バー  
タネまき
    バー バー          
肥料
        バー バー      
※開絮(かいじょ)果実がはじけて綿が溢れること

日当たり・置き場所
日当たりと水はけの良い場所が適しています。生育は旺盛で強健な植物ですが、日当たりが悪かったりやせ地だと充分に育たず花も小さくなります。

水やり・肥料
肥料は土にあらかじめ堆肥や化成肥料を混ぜ込んでおき、花が咲いてきたら液体肥料を月2回与えます。

かかりやすい病気・害虫
ワタノメイガの幼虫(ハマキムシ)が発生します。葉を筒状に巻きその中に入って葉を食害します。見つけ次第薬剤を散布するか、葉っぱごと取り除いて駆除します。

植え付け・用土
移植に弱いので鉢やプランター・庭に直接タネをまくか、ビニールポットにまいて本葉が2枚の頃に植え付けます。苗が大きくなってからの植え付けは根づきににくく、仮に根づいたとしてもよく育たないことがあります。

ワタは弱アルカリ性の用土を好むので、土に苦土石灰を混ぜ込んでおきます。鉢植えにする場合は赤玉土6:腐葉土3:川砂1の割合で混ぜた土を使います。

ふやし方
タネからふやします。発芽温度が20~25度と高温なので、気温が充分上がってから、5月以降がまき時です。また、遅くまくと花後の綿が見られないこともあるのでできれば5月中にまいたほうがよいでしょう。発芽日数は適温下で約10日です。

手入れ
開花して果実ができ、はじけてワタが見られるまでおよそ30~50日かかります。はじけたワタは水に濡れると、ふわふわ状態が固く締まってずぶ濡れの猫状態(ぺしゃんこ)になったり、カビが生えて黒ずんでしまうことがあるので、開いたものは早めに収穫しましょう。鉢植えははじける時期にできるだけ雨の当たらない場所に置きます。

ポイント
・日当たりと水はけのよい場所が適する
・弱アルカリ性の土壌を好む
・高温発芽なので、5月以降にタネをまく

関連するページ
アオイ科