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Topページ草花のタネまき基礎知識

9. 小苗を移植する

移植とは

平鉢まき箱まきで育てたものは、移植が必要です(ポットまきは基本的に不要です)。移植は読んで字のごとく、違う場所に移すことです。生長して苗が大きくなってくると、場所が狭くなってきます。しかし、花壇や鉢に植え付けるにはまだ小さすぎるので、小鉢やポットに1本ずつ仮植えして、苗を大きく育てます。

植物の種類にもよりますが、本葉が2~4枚程度の頃が作業の適期です。これ以上大きくなると、根っこが張りすぎてとなりと絡み合い、苗を一本ずつ移す作業が困難になります。苗はあっという間に大きくなるので、移植のタイミングは外さないようにしましょう。

ポイントは、根を切らないよう丁寧に扱うこと、根を乾かさないよう素早く行うことです。ここでは平鉢まきの場合を解説しますが、基本的な流れは箱まきも同じです。

移植の手順

鉢から抜く 1本ずつばらす

1.鉢から抜く

まず、苗床を土ごと鉢から抜きます。底面を軽くコンクリの床などにこんこんと打ち付けて、逆さにひっくり返して、手のひらでやさしく受け止めます。あらかじめ、用土を半乾きの状態にしておくときれいに外れやすく、その後の作業もしやすくなります。

2.一本ずつばらす

抜いた苗床を受け皿の上に置き、根を切らないように1本ずつばらします。ピンセットなどを使うより、手で根を探りながらほぐしていく方が、根を切る心配は少ないです。

ここから移植するまで、根がむき出しの状態になるので乾かさないよう、てきぱき作業を行います。

3.ポットに植え付ける(小鉢上げ、仮植)

ばらした苗を指でつまんで、ビニールポットに植え付けます。

ビニールポットは6cm~9cmの大きさのものを、苗の大きさやその後生長する大きさを考えて、選びます。中間の7.5cmがいちばん扱いやすいです。

植え付け用土は、水はけがよくて肥料分の入っているものが適しています。市販の培養土の他、赤玉土(小粒)にバーミキュライトやピートモスを等量混ぜて、ゆっくり効くタイプの粒状肥料を混ぜ込んだものなどを使います。

ポットに植え付ける

4.ポットに植え付ける つづき

苗をつまんだままポットの中央にもっていって、そこに土を入れて固定する「土後入れ」、あらかじめポットに土を入れて軽く湿らせておいて、指などで真ん中に穴を空けて、そこに苗をいれる「土先入れ」などのやり方があります。自分の好きな方法でやってください。

ポットに植え付ける つづき

5.水やり

苗を植え付けたら、地際を指でつまむようにして苗の方に少し土を寄せてしっかりと固定します。

ポットの底から流れ出る水が澄んだ色になるまでたっぷりと水を与えます。苗が浮かないよう、ゆっくりと静かに行います。

水やり

移植後の管理

作業直後は雨の当たらない場所で管理し、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。その後は週1回程度、液体肥料を与えます。苗がある程度大きくなって充分に根が張ったら、鉢や花壇に本植え(定植)します。

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