原種シクラメン

サクラソウ科 「し」からはじまる植物 山野草

ペルシカム
シクラメン・ペルシカム
この植物の育て方
科名
サクラソウ科
学名
Cyclamen
別名
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原産地
地中海沿岸 小アジア ロシア南部
大きさ
高さ5cm~15cm
開花期
種により異なる
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

原種シクラメンは約20種が知られる球根植物です。原種とは品種改良されていない野生種を指します。ですから、原種シクラメンは野生種のシクラメン、と言い換えることもできます。

主に、洋風の山野草として普及しています。鉢花として流通している「一般的な」シクラメンに比べると、葉も花も小型のものが多いです。「 一般的な」シクラメンは人の手によって複雑に改良されたものです。わざわざ「原種」と付けるのは、それと区別するため、と言う意味合いも含まれているでしょう。

シクラメンの語源はギリシア語のキクロスからきています。キクロスは「旋回」「らせん」という意味です。花後にゼンマイのようにくるくる巻く花茎に由来します。地表近くには扁平な球形の球根ができます。多くの種は春~初夏に葉が枯れて、秋まで球根の状態で休眠します。


花どきは種により異なる

花色は白やピンク、紫色のものが多く、やや細長い花びらは上に反り返ります。株元から花茎を長く伸ばし、1本の花茎に1つの花を咲かせます。花の咲く時期は種によってまちまちです。開花時期の違いで、1.春~初夏咲き 2.夏~秋咲き 3.冬~早春咲きの3つに分けられます。

その3つの中でも広く普及しているのは「2.」と「3.」に含まれる種です。具体的な品種に関しては、文末にまとめてますので参照してください。

多彩な葉の模様

花だけではなく、葉も美しいのが特長です。葉は丸みのあるもの、とがるもの、変わったところで浅く切れ込むものなどがあります。葉色は深めの緑色で、銀白色の斑が様々な形で入ります。その斑の入った姿が個性的で、花の咲いていない時期でも楽しめます。

それぞれの個性

原種と一般的なシクラメンは似ているようで、その楽しみ方や魅力に若干の違いがあります。趣味性の高い面もあり、色々な種類を収集したり、自分でタネをまいて育種する方もおられます。 それぞれの種に葉や花の微妙に異なる変種がたくさんあるので、総合的に見るとバラエティーは豊富です。小型と言うところも集めたくなる要因かもしれません。

しかし、それは栽培が難しく、敷居が高いという意味ではありません。育てやすい普及種を選べば、さほど難しくなく場所もあまりとりません。それだけ楽しみ方に幅があり、魅力のある植物とも言えるでしょう。

種類

〔〕内は学名、C.はCyclamenaの略

バレリアリクム〔C. balearicum〕

春~初夏咲きの小型種、花色は白。

ヘデリフォリウム〔C. hederigolium〕

夏~秋咲き、葉が出る前に花を咲かせる。花色はピンク、白など。

プルプラスケンス〔C. purpurascens〕

夏~秋咲き、葉が丸くて厚い。休眠しないことが多い。

コウム〔C. coum〕

冬~早春咲きで特に葉の模様に個体差が大きく、多くの変種が栽培されている普及種。

ペルシカム〔C. persicum〕

鉢花として広く流通しているシクラメンの元となった種 。

その他の画像

1.コウム 2.グラエカム 3.らせん状に巻く花茎 4.熟した果実

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