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細かい切れ込みがエレガント

リンコレリア・ディグビアナ

リンコレリア・ディグビアナ
科名:ラン科
学名: Rlyncholelia digbyana
(= Brassavola digbyana)
原産地:中央アメリカ
草丈:25cm~40cmくらい
主な開花期:春~夏

難易度バー バー バー バー バー (ふつう)
耐寒性バー バー バー バー バー (ややよわい)
耐暑性バー バー バー バー バー (ふつう)

リンコレリア・ディグビアナとは

新芽主に中央アメリカに分布するカトレアに近いランです。以前はブラッサボラ属に分類されていたので、ブラッサボラ・ディグビアナと呼ぶこともあります。種小名のディグビアナはラン栽培家ディグビーの名前にちなみます。

主な開花期は春~夏(6月頃が多い)ですが、バルブが完成する時期に合わせて咲くので、その時期によって秋や冬に咲くこともあります。バルブの頂点からシース(葉鞘)を出し、その中からつぼみが出します。花の大きさは幅10cm~15cmで、花茎の先に通常1輪咲きます。花色は鮮やかなライムグリーンで、夜になると芳香を放ちます。中心に位置する大きな花びら(リップ)は周囲が細かく糸状に切れ込みます。このリップの姿が魅力であり特長で、他のカトレア類を掛け合わせて様々な交配種が作られました。特にリップのフチが細かく切れ込むカトレアの交配種は、ディグビアナが関わっていることも多いです。

花地際に近い部分は肥大して15cm程の太いこん棒状になっており(バルブと言います)、先端に厚みのある長楕円形の葉っぱを1枚付けます。バルブ同士は横に伸びる短い茎(ほふく系)で繋がっています。葉っぱは灰色がかった緑色で、新芽の頃は表面が白い粉を吹いたようになります。草丈は25cm~40cmほどです。

はっきりしたことはわかりませんが、夜に香るところから、夜行性の虫などが受粉に関わっているのでしょう。また、ライムグリーンの花は月明かりのようなわずかな光の中でもぼうっと浮き出て自分の存在を知らせるためではないかと思われます。リップの細かい切れ込みも、カラスウリのように花を大きく見せるための工夫なのではないでしょうか。

育て方

栽培カレンダー

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花期
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植え替え
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生育期(秋~春)置き場所
主な生育期間は秋~春です。細かく言うと、秋に新芽が出てきて冬の間に生長し、葉の中からシースが伸びてきて、春~初夏に花が咲きます。

生育には最低10℃ほど必要(13℃程度の気温を保てるようにしたほうが、新芽の生長もよいです)なので、冬~春は室内で管理します。日射しを好むので、室内でも日当たりの良い場所を選ぶようにします。

春~夏の置き場所
春頃には新芽の伸長が止まり、シースからつぼみを出して開花します。

屋外に出す場合、十分気温が上がってからの方が無難です。具体的には八重桜が散った後がよいでしょう。遅霜に合うと株がダメージを受けます。また、つぼみがナメクジに食べられないように気をつけましょう。風通しの良い環境が好きなので、場所があれば吊して育てても良いです。

出来るだけ日に当てて育てますが、葉焼けを避けるため、春と秋は30%、夏は50%くらいの遮光をします※1。遮光がよくわからない場合、春~秋は明るい日陰で育てるのが無難です。

水やり
乾燥に強いですが水は好きなほうなので、植え込み材料が乾いたら与えます。 過湿にすると根が傷むことがあります。

肥料
肥料は半年から1年くらいかけてゆっくりと溶けて効く、粒状の肥料を少量、新芽から少し離れた位置に置いておきます。溶けきるまで追加で与える必要はありません。

植え付け
次に出てくる新芽が鉢外に飛び出しそうなら、広い鉢に植え替えます。適期は春に充分気温が上がる5月以降です。つぼみ持ちの場合、花が咲き終わるまで待ちます。

過湿にすると根が傷むことがあるので、乾きやすいように小さめの鉢を使うか、素焼き鉢+水ゴケ、 プラ鉢+バークチップのように、通気性のある植え方をします。

その他
シースが出てこなかったバルブはつぼみが上がってきません※2。また、それなりに株が大きくならないと咲きにくい傾向があるような気がします。バルブが少ない小~中株はじっくり年数をかけて開花サイズまで育てます。

ポイント
・生長期は秋から春
・水を好むが、多湿に注意
・夏は30%ほどの遮光を

※1 中秋頃まで日射しが存外に強いので、油断しないようにします

※2 シースの有無は開花する可能性の目安ですが、シースが出来てもつぼみが上がってこないこともあります

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