ヤサシイエンゲイ

和紙の材料として有名

ミツマタ

ミツマタ
科名:ジンチョウゲ科
学名:Edgeworthia chrysantha
別名:三椏【漢字表記】
原産地:中国
樹高:1m-2m
開花期:3月-4月

くわしい育て方

ミツマタとは

中国原産で、冬に葉を落とす落葉性の低木です。枝が三つ叉に分かれるところから「ミツマタ」と言いますが、見た目そのままで非常に説得力があり覚えやすい名前だと思います。和紙の原料としてよく知られるのですが、樹形のまとまりがよくて花もきれいなので、庭木や鉢花、盆栽などで栽培されます。

樹高は1m~2mでよく枝分かれし、まるい樹形になります。秋に枝の先端に花芽を作り、早春に小さな花を半球状にまとまって咲かせて芳香を放ちます。花びらに見える部分は筒状の萼で、実際は花びらをもちません。花は下向きに咲き、ちっちゃな蜂の巣のような雰囲気があります。色は外側が白で内側が黄色になります。開花時期はまだ葉っぱが出ておらず、花が葉っぱで隠れることがないので樹全体が色づいたようになり、キレイです。園芸品種のベニバナミツマタは花の内側が赤色になって更に目立ちます。

別種なのかミツマタの園芸品種なのかはわかりませんが、枝が太くて花が大きく、咲いたときにボリュームのある「中国大輪ミツマタ」と呼ばれる種類の苗が広く出回っています。

来歴

日本には1600年頃の慶長年間に紙をつくる材料として渡来したと言う記録が残っていますが、万葉集に「サキクサ(三枝)」の名前で詠まれているものがミツマタを指し、すでにその頃(8世紀後半)には日本で見ることができたという説もあります。また、四国や九州の山野では半ば野生化したものもみられます。

樹皮は和紙の原料として利用されます。ミツマタを原料とした和紙は光沢があり丈夫でしなやかなで破れにくいという特徴があります。それらの長所から、紙幣の原材料のひとつとして用いられており、高知県を中心とした地域で主に栽培されているそうです。

属名のエッジワーシアは19世紀イギリスの植物研究家エッジワースの名前にちなみます。種小名のクリサンサはクリソス(黄金色の)とアンサス(花)からなり、花色に由来します。

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