香る純白、たくあんの黄色
クチナシ
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科名:アカネ科学名:Gardenia jasminoide
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〔〕内は学名、N.はNeriumの略
クチナシとは
![]() クチナシの果実 |
日本(本州西部、四国、九州、西南諸島)、台湾、中国、インドシナに広く分布する常緑樹です。暖かい気候を好み、主に暖帯や亜熱帯地域に自生します。特に日本では、海岸近くの山野に自生することが多いです。。
葉は楕円形で先端が少しとがり濃緑色、表面に光沢があります。黄緑色をした若葉の頃も美しいです。梅雨の中頃〜終わりに径6cm前後の純白の花を開きます。花は甘い芳香があり、これこそクチナシのアイデンティティーと言っても過言ではないでしょう。花びらは肉厚で、時間の経過とともに黄色っぽくなります。基本種は花の基部が筒状で先が裂けて6枚の花びらなる一重咲きですが、八重咲き種もあります。
花後に果実ができ、熟すとオレンジ色になります。果実は楕円形で頂点に萼がツノのように残ります。乾燥させたものを煮出した汁はたくあんや、きんとんを黄色く染める着色料になります。スパイスの類としてスーパーでも普通に見かけます。中国ではこの果実を「山梔子(シャンチーツー)」といい、古くから消炎や鎮静の薬として用いてきました。完全な八重咲きは雄しべがないので、果実は出来ません。
名前の由来
クチナシの名前の由来は諸説あります。
・果実が熟しても裂けたりはじけたりしないので、口が無い「口無」
・果実の頂点に残る萼を鳥のくちばし、果実自体を梨に見立てて、口のある梨「口梨」
などです。本などでは「口無」の説がよく使われています。
属名のガーデニアはアメリカの植物学者ガーデンの名にちなみます。庭という意味のガーデンとは特に関係ありません。種小名のヤスミノイデスは「ソケイ(ジャスミン)属の植物に似た」という意味です。純白で芳香のある花が咲くなどの共通点から付けられたのではないかと思います。
英名は学名からきた、「コモン・ガーデニング」や「ケープ・ジャスミン」があります。ケープは南アフリカの地名ですが、これは最初クチナシが南アフリカ原産と誤認されていたことにより付けられた名前です。
品種や変種
![]() マルバクチナシ 果実と葉っぱ |
代表的な品種や変種には以下のものがあります。
・ヤエクチナシ〔G. jasminoides f. ovalifolia〕
八重咲き種です。熊本市の「立田山ヤエクチナシ自生地」は国の天然記念物に指定されています。
・コクチナシ〔G. jasminoides var. radicans〕
中国南部原産で、葉も花も小型で、全体的に小さく収まるので、鉢植えに適しています。
・オオヤエクチナシ〔G. jasuminoides 'Fortuniana'〕
園芸品種。花は八重咲きで、ボリュームがあります。ガーデニアの名前で流通することが多いです。
・マルバクチナシ〔G. jasuminoides var. maruba〕
葉が小さく、先端が丸くなり、花も径3cmほどと小さい。
このほかにも葉に黄色や白の縁取りの入る斑入り品種も栽培されています。
利用
細かく枝を出して茂るので刈り込んで垣根や植え込み、小型種は鉢植えや地面を覆うグランドカバーにも利用されます。やや寒さに弱いので、極寒地での植栽には不向きです。株を丸坊主にしてしまうほど葉を食害する食欲旺盛なオオスカシバの幼虫が天敵です。やや病害虫が出やすいですが、その点をのぞけば基本的に生命力の強い樹木といえます。切り花にも出来ますが、若干花持ちが悪いのが難点です。
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