キクノケス(シクノチェス)

おもしろい形のバルブと花

ランの仲間 「き」からはじまる植物

キクノケス
ウェントリコスム 'クロロキロン'
科名
ラン科
学名
Cycnoches
別名
スワンオーキッド
原産地
メキシコ~ブラジル
大きさ
20cm~40cm
主な開花期
種により異なる
耐寒性
よわい
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

約10数種類がメキシコからブラジルにかけて分布するランの仲間で中南米原産のカタセタム属によく似ています。学名の発音違いで「シクノチェス」と呼ぶことも多いです。 休眠期に葉を落とす落葉性で花の咲く時期は種によってまちまちです。カタセタムと同様、機能と形の違う雄花と雌花が咲きますが、一般には雄花を咲かせることが多く、雌花はまれにしか生じません。

春に昨年のバルブ(茎)から新芽を出します。葉は細長くて縦に何本も筋が入り、左右交互に出しながら伸びていきます。秋になると茎が肥大して、上部の葉の付け根から花芽を出し、花茎を伸ばして冬から春に花を咲かせます。 冬は落葉して細めのタケノコのような節を持つバルブだけの状態になります。開花時期は葉が付いていることもあれば、落葉していることもあります。

名前の由来

キクノケス(Cycnoches)の名前はギリシア語で白鳥を表す「kyknos」と首を意味する「auchen」の2語からなり、細く湾曲した蕊柱(ずいちゅう:雄しべと雌しべが一体となった生殖器官)の形に由来します。英名も同の「スワン・オーキッド」の由来も同様です。

種類

〔〕内は学名、C.はCycnochesの略

キクノケス属の中でも雄花と雌花の形がほぼ同じ「キクノケス節」と形の異なる「ヘテランタ節」に2分されます。

ロディゲシー〔C. loddhigesii〕

ベネズエラやコロンビア原産種。開花期は主に夏で、径10cm-20cmの花を数輪付けます。花色は赤褐色。

ウェントリコスム〔C. ventricosum〕

別名スワンオーキッド、メキシコ、グアテマラなどが原産地。キクノケスを代表する種で花色は緑黄色。


育て方

主な作業の適期

肥料 葉を出している生育期間中

日常の手入れ

基本的な育て方はカタセタムに準じます。生育サイクルもほぼ同じです。そちらもあわせて参考にしてください。生育期と休眠期(落葉期)それぞれに合わせたメリハリをつけた管理(水やりや肥料など)が大切で、生育期に充実した株にすることがその後の花付きに大きく影響します。

小さな鉢に植えると、春以降に葉がでてきて大きくなったときアンバランスになりコケやすくなります。一回り大きな素焼き鉢にすっぽりと入れて安定させるか、支柱を使って吊り下げるようにするとよいでしょう。

日当たり・置き場所

種によっては慣れると10℃前後でも大丈夫ですが、冬は最低13℃、可能であれば15℃程度が理想的です。屋外での冬越しはむずかしいでしょう。

強い日射しに当たると葉焼けをおこします。葉焼けを起こして葉が枯れてしまうと、生育に支障を来たし、十分にバルブが生長しません。直射日光は避けて、春と秋は30%、夏は50%の遮光を行います。

水やり・肥料

葉が出ている生育期間は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。夏は特に水をたくさん吸って、乾きやすいです。落葉後の休眠期は水やりを控えて乾燥気味に管理します。

生育期間中(主に春~秋)は十分に肥料を与えて丈夫で充実した株にすることが大切です。休眠からさめて葉が出てきた生育初期に固形肥料を施して、追肥として月1~2回液体肥料を与えます。休眠期は一切与えません。

生育期に水と肥料をじゅうぶん与えてパンパンに張ったバルブに育てることが、栽培のコツです。;

かかりやすい病害虫

夏の乾燥時期にハダニが発生することがあります。見つけ次第、殺ダニ剤を散布して駆除します。

ハダニはやっかいな害虫で発生させないことが大切です。予防として水をやる際に葉の表裏にもたっぷり水をかけてあげましょう。

植え付けと用土

やや小さめの鉢を用いて水ごけをぎゅっと堅めに詰め込むような感じで植え付けます。 植え替えの適期は春です。新芽が出てくるとともに、一気に新しい根を伸ばすので、それまでに済ませてしまいましょう。

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