湿地に適した強健な樹木

ギョリュウ

ギョリュウ科 「き」からはじまる植物 花木・庭木・果樹

ギョリュウ
この植物の育て方
科名
ギョリュウ科
学名
Tamarix chinensis
別名
御柳 (漢字表記)
原産地
中国
大きさ
高さ4m~7m
開花期
5月 7月~9月
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

ギョリュウの仲間(タマリクス属)はヨーロッパ、アジア、アフリカに約75種が分布します。その中でも中国中部~南部原産の、タマリスク・キネンシスを指して、和名でギョリュウと呼びます。

ギョリュウは大きくなると樹高は4~7mになる小~中高木で冬は落葉します。枝は非常に細く上に立ち上がるように伸びるものもあれば、柳のように垂れ下がるものもあります。1mmくらいの細い針型の葉が重なり合って伸びていき、その姿はふわっとした感じで繊細です。

新しく枝が伸びたらその節に花を咲かせる性質ですが、だいたい春~秋の間に2~3回花を咲かせるのが一般的です。花は5枚の花びらがあり、色は淡い紅紫色で小さく穂状にまとまって咲かせます。

塩性植物

ギョリュウの仲間は、海岸や内陸の塩分を多く含む土壌など、本来植物が育ちにくい場所に自生する塩生植物です。枝葉に「塩腺」と呼ばれる器官があり、余分な塩分はそこから体外に排出することができるので、そのような場所でも生きられます。

用途・由来

性質強健で乾燥地から湿地、砂地でも育つので、あまり他の樹木が植えられない場所でも活躍します。水を非常に好む湿地に適した数少ない庭木のひとつです。日本には江戸時代に渡来しました。

年を経ると垂れ下がる枝がだんだんふえてきてその姿が柳に似るところから「御柳」「◇柳(◇は木ヘンに聖)」など「柳」の字が当てられ「ギョリュウ」の名前が付けられました。

属名のタマリクスの由来は古代ラテン語説や地名説など、諸説あります。英名ではタマリスクと呼ばれます。


種類

〔〕内は学名、T.はTamarixの略

オーストラリア原産の花木で、日本でもよく栽培されている「ギョリュウバイ(フトモモ科)」は葉姿などがギョリュウに似ているので付けられた名前ですが植物的には直接関係ありません。

キネンシス〔T.chinensis〕

中国原産、単にギョリュウというと本種を指すのが一般的です。

テトランドラ〔T. tetrandra〕 

ヨーロッパ南東部、西アジア原産で濃いピンク色の花を咲かせる。

ペンタンドラ〔T. pentandra〕

南東ヨーロッパ、中央アジア原産で花付きがよい。

関連する植物