言い得て妙なブラシノキ

カリステモン(ブラシノキ キンポウジュ)とは

フトモモ科 「か」からはじまる植物 花木・庭木・果樹

カリステモン
この植物の育て方
科名
フトモモ科
学名
Callistemon
別名
ボルトブラシ など
原産地
オーストラリア
大きさ
2m~3m
開花期
5月~6月
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

オーストラリアを中心としてニューカレドニアまで、およそ30種類が分布する常緑性の低木~小高木です。切り花の他、庭木や鉢植えとして利用され、生垣のように仕立てる事もできます。

試験管ブラシのようなユニークな姿の花を咲かせるのが特長です。主な開花期は初夏ですが、秋にもう一度咲く2期咲き種もあります。花色は赤が多いですが、他にもピンク、白などがあります。キレイに色づくのは花びらではなく、雄しべの「花糸」と呼ばれる部分です。本来の花びらは小さく、開花するとまもなく萼といっしょに落ちてしまいます。

花後、枝にくっつくように丸い果実(蒴花)をびっしりつけますが、タネを外に出さずに閉じ込めたまま、数年残ります。花が咲いた枝の先端から新芽を出して伸びていくので、数年経た枝は所々に果実の集まり(以前花が咲いていた箇所)があります。タネを出すのは果実を付けている枝が枯れてしまうときで、原産地では山火事などによって枝が焼かれたとき、タネが散布されます。このように一風変わった生態を持っているので、それを知った上で観察するとおもしろいかもしれません。

名前の由来

学名のカリステモンはギリシア語で「美しい雄しべ」と言う意味でそのままです。ブラシノキやボトルブラシとも呼ばれますが、これも発達した雄しべが枝にびっしり整然とくっついている姿から来ています。


種類

〔〕内は学名、C.はCallistemonの略

スペキオスス〔C. speciosus〕

カリステモンの代表的な種で、日本には明治時代中期に渡来して、庭木などに利用されてきました。カリステモン属の花木全般を「ブラシノキ」と呼ぶことがありますが、本来「ブラシノキ」はスペキオススに付けられた和名です。5~6月に鮮やかな紅色の雄しべをもつ花を付けます。花後に付く果実は数年間枝に付いたまま落ちません。

キトリヌス〔C. citrinus〕

切り花や鉢植えとして需要の高い種で、キンポウジュ(金宝樹)とも呼ばます。タネから簡単に育てられることもあり、色々な品種をかけ合わせて、様々な園芸品種が作られました。多く栽培されている園芸品種に日本生まれの「八房金宝(やつぶさきんぽう)」があります。また、春と秋の年2回咲く「一才金宝(いっさいきんぽう)」も知られています。

サリグヌス〔C. salignus〕

雄しべが白からクリーム色に色づき、シロバナブラシノキとも呼ばれます。

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