上品な花姿で切り花にも向く

カラーとは

サトイモ科 「か」からはじまる植物 球根植物

カラー
この植物の育て方
科名
サトイモ科
学名
Zantedeschia
別名
オランダカイウ
原産地
南アフリカ
大きさ
30cm~1m
開花期
5月~7月
難易度
★★☆☆☆(育てやすい:湿地性)
★★★☆☆(ふつう:畑地性)

こんな植物です

南アフリカに8種が分布する球根植物です。以前はサトイモ科カラー(Calla)属に分類されていたので、その名残で園芸では今でもカラーと呼んでいます。栽培上は、湿地でよく育つ「湿地性」と、乾燥した土地を好む「畑地性」に2タイプに分けられます。地下茎が肥大して球根を作ります。球根の形は種により異なり、細長い地下茎や円形の塊茎があります。

葉は楕円形、矢じり型、ハート型などがあり、白い斑点が入ることが多いです。主な開花期は春~初夏、紙をくるりと巻いたような漏斗状の花が特徴的です。この部分は苞(ほう)と呼ばれる葉が変化したものです。花の本体は中心にある棒状の部分で肉穂(にくすい)と言います。苞の色は白、ピンク、オレンジ、黄、紫などがあります。庭植え、鉢植え、切り花など用途の広い植物です。

湿地性と畑地性

湿地性は水のある湿地~山野に自生する種です。湿り気のある土壌を好み、乾燥を嫌います。耐寒性があり、暖地では冬にも葉は枯れずに常緑になります。性質は強くて丈夫で育てやすいです。代表的な種にオランダカイウがあります。

畑地性は冷涼で雨の少ない地域に自生する種です。耐寒性がなく、適湿な土壌を好みます。逆に湿り気の多い場所では球根が腐ってしまいます。花色が豊富で様々な園芸品種があり、バラエティーに富みます。代表的な種にモモイロカイウ、キバナカイウ、シロホシカイウがあります。

名前の由来

属名のザンテデスキアはイタリアの植物学者ザンテデスキに由来します。カラーの仲間は和名でオランダカイウ、モモイロカイウいったように、「カイウ」という言葉がつきますが、漢字では「海芋」と書きます。


種類

〔〕内は学名、Z.はZantedeschiaの略。主に、以下の4種とその園芸品種が栽培されています。

オランダカイウ〔Z. aethipica〕

湿地を好み肥大した地下茎をもちます。草丈はおよそ90cm、苞は白色で花は芳香を放ちます。日本には1843年に渡来しました。草丈が低く花がたくさん咲く変種のシキザキカイウ〔var. minor〕をはじめ、多くの園芸品種があります。

シロホシカイウ〔Z. albomaculata〕

苞は乳白色でやや細長く、基部に赤い斑点が入ります。草丈は60cm前後で、葉に白い斑点があります。日本へは明治初期に渡来しました。球根は塊茎状です。

キバナカイウ〔Z. elliottiana〕

苞は内側が鮮やかな黄色で外側が緑がかった黄色。草丈はおよそ90cmです。 球根は塊茎状で畑地性です。日本には大正初期の渡来、病気や寒さにやや弱い。

モモイロカイウ〔Z. rehmannii〕

草丈は約30cm。苞は淡い桃色~紅紫色です。球根は塊茎状で畑地性、日本には大正初期に渡来しました。

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