リンゴのような香りの花

カモミールとは

キク科 「か」からはじまる植物 ハーブ

カモミール
この植物の育て方
科名
キク科
学名
Matricaria recutita (ジャーマン種)
Anthemis nobilis (ローマン種)
別名
カミツレ アンセミス
原産地
ヨーロッパ
大きさ
30cm~90cm
開花期
3月~5月 (ジャーマン種)
6月~7月 (ローマン種)
難易度
★★☆☆☆(そだてやすい)

こんな植物です

カモミールと呼ばれ、ハーブとして親しまれているものにはジャーマン・カモミール(以下ジャーマン種)とローマン・カモミール(以下、ローマン種)の2種があります。

花や葉姿、性質はどちらとも似ていますが、属が異なり分類上はまったく別の植物です(ジャーマン種はマトリカリア属、ローマン種はアンテミス属に分類されます)。見分け方の一つとして、花を縦半分に切って、中心に空洞があるのがジャーマン種、ない方がローマン種です。

後の項でくわしく説明しますが、単にカモミールというとジャーマン種を指し、ハーブティーとして広く親しまれているのもこちらのほうです。

ジャーマン・カモミール

ジャーマン種は花後に枯れる一年草です。日本へはオランダ医学の薬として、江戸時代に入ってきました。鎮静、消化促進・発汗作用などがあり、ヨーロッパでは古くから民間薬として親しまれています。単に「カミツレ」「カモミール」というと、本種のことを指します。

草丈は60cm~90cm、葉は細かく切れ込んで繊細な雰囲気があります。春に白い花びらをもつ一重のキクのような花を咲かせます。中心の黄色い部分(筒状花)は、咲き進んでいくと盛り上がっていきます。花にはりんごのような甘い香りがあり、摘み取って乾燥させたものを生薬やハーブティー、入浴剤として利用します。味には好みがありますが、ハーブティーの中では最も飲みやすい部類に入ると思います。

名前の由来

カモミールの語源は古代ギリシア語で、「大地のりんご」を意味する「カマイメロン」に由来します。和名のカミツレはオランダ語での呼び名、カミルレ(kamille)からきています。感じでは『過密列』と書きます。


ローマン・カモミール

〔〕内は学名 A.はAnthemisの略

ローマン種は毎年花を咲かせる多年草で、和名はローマカミツレです。学名から、アンセミスとも呼ばれます。

茎は這うように伸びていき、ひょろりとした花茎を伸ばして先端に花を咲かせます。花だけでなく、葉も甘い芳香を放ちます。主な開花期は夏です。

ハーブティーはやや苦みがありカモミールに比べると飲みにくいです。神経を鎮める作用のあるカマズレンがジャーマン種より多く含まれ、不眠やストレス解消に効果があるとされます。

園芸品種に八重咲きのダブルフラワー・カモミール〔A. nobilis 'Flora Pleno'〕と芝生として用いるノンフラワー・カモミール〔A. nobilis 'Treneague'〕があります。

ダイヤーズ・カモミール

上記2種とは少し毛色がことなるのですが、ダイヤーズ・カモミールも比較的栽培されています。ローマン種と同じアンテミス属の植物で、毎年花を咲かせます。株元からよく枝分かれして株は大きく茂ります。初夏~秋にかけてマーガレットに似た黄色い花を咲かせます。花は染色に使われます。和名、コウヤカミツレ。

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