ヤサシイエンゲイ

若葉と紅葉が美しい

フウ(タイワンフウ)

フウ
科名:マンサク科
学名:Liquidambar formosana 
別名:タイワンフウ
原産地:中国 台湾
樹高:~20m
主な開花期:4月

難易度バー バー バー バー バー そだてやすい

耐寒性バー バー バー バー バー ややよわい

耐暑性バー バー バー バー バー ふつう

フウとは

中国中南部、台湾に分布する落葉樹でタイワンフウとも呼ばれます。日本には江戸時代に入ってきました。街路樹や公園樹として植えられています。近い仲間にモミジバフウ(アメリカフウ)〔L. styraciflua〕があり、街路や公園ではフウよりもよく見ます。縁は遠いですが、トウカエデ〔Acer buergerianum〕は葉っぱや姿が似ていて街路樹としてよく植えられてるなど、共通項が多いです。

樹高は最大20mを超えます。樹皮は黒っぽい褐色で、若木は細かいひび割れのようになり、成木は縦に浅く裂けます。

葉っぱは浅く3つに裂け、縁はギザギザになります。長さは15cm前後で表面は触るとざらざらしており、細い軸を持ちます。出たばかりの若葉は光沢のある赤紫色で美しいです。秋の紅葉も素敵です。

開花期は4月で若葉が開ききる前に、枝の先端から花を咲かせます。雄花は、ボール状にあつまって、直立した茎にいくつも付きます。雌花はボール状に集まったものが、垂れ下がった茎の先端に1コだけ付きます。花びらは持たず、雄しべや雌しべが目立ちます。

花後に雌花はボール状の果実(集合果)になります。かなり頑丈で重量感があり、指で挟んだくらいではびくともしません。果実の表面は雌しべの一部(花柱)が残り、細いイガのように全体を覆います。モミジバフウに比べるとイガは細くて長く、ふっさりしています。手で握ってもイガは痛くないです。秋に熟して黒っぽい褐色になります。タネは平べったく、膜状の薄い翼があります。落葉後も果実は枝に残ります。

葉っぱ
葉っぱ
集合果
集合果
集合果(落果)
集合果(落果)
樹皮
樹皮(若木)

 

用途・由来

樹脂は楓香脂(ふうこうし)と呼ばれます。独特の香りがあり薬用とされます。

名前は中国名『楓(フォン)』を音読みにしたものです。日本では楓と書くとカエデのことを指しますが、これはフウが渡来する以前に誤って付けられたものです。『楓=カエデ』が常識となっていますが、植物的には正しくないとされます。

属名のリクイダンバルは『液体の琥珀』の意で、独特の香りがする樹脂を出すところに由来します。種小名のフォルモサナは『整った』という意味になります。

似た仲間との違い

モミジバフウは葉が5~7つに裂けるので、そこで見分けが付きます。また集合果のイガが短く、トゲトゲしています。

カエデ類とは葉の付き方で区別できます。カエデ類の葉は枝をはさんで左右同じ位置に付く対生、フウは左右交互に付く互生です。トウカエデは樹皮がささくれたようになっているので、その点も見分けるポイントになります。

育て方

栽培カレンダー

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
開花期
      バー                
剪定
バー バー                   バー

 

適した場所
日当たりがよく、湿り気のある肥沃な土壌が適しています。耐寒性はあまりなく、植栽適地は関東より西です。

植え付け
落葉期に行います。

手入れ
剪定しても新たな枝が出にくいです(萌芽力が弱い)。無闇に切ってしまうと、おかしな樹形になってしまいます。放任で、余計な枝を間引く程度にとどめます。円錐形の自然樹形が最も美しいですが、大きくなるのでスペースが必要です。剪定する場合は、落葉期に行います。

ふやし方
タネを採取してまきます。

ポイント
・剪定は余りしない方が良い

関連するページ
マンサク科
花木・庭木