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肥料の微量成分

  3大要素以外の13の要素  
   前のページで植物に必要不可欠な3大要素について説明しましたが、すべてを含めて16種類の要素があることにも軽く触れました。あとの13の要素はなんでしょう?わざわざ3つだけクローズアップして説明したのはなぜでしょう?それにはちゃんと理由があります。それは  
●自然界に存在している成分でわざわざ与える必要がない
●植物の体内で作ることができる
●3大要素ほど多量に必要としない
などです。しかしこれらも不足すると病気にかかったり植物の生育に支障を来すことがあります。ここではそれらの微量要素と3大要素との関係についても説明していきます。かなり理屈的なことが多くなるので興味のない方は飛ばし読みしてください
 
  3大要素ほど多量に必要ではないがかなり大切な3要素  
   窒素、リン酸、カリは植物が健全に育つ上で大切ですが、その3つほど多量に必要ではありませんが植物が育つ上で大切で、人の手で与えなければいけない要素があと3つあります。それは、カルシウム、マグネシウム、イオウの3つで、前述の三大要素とあわせてこの6つが主に肥料に含まれている成分で「肥料要素」と呼ばれます。マグネシウムなどは3大要素と並べて肥料のラベルに大きく表記している商品もあります  
カルシウムは植物の体全体を丈夫にします。少なくなると細胞組織が崩れてハクサイの芯ぐされやトマトの尻ぐされなどの病気にかかりやすくなります

マグネシウムは三大要素であるリン酸の吸収を助けたり植物内の各種酵素を活性化させます。不足すると下から葉が落ちます

イオウは根の発達を助ける役割があります。植物内のタンパク質を合成するのに深い関わりがあります
 
  自然界に存在するので人為的に与える必要のない3要素  
   植物が育つ上で欠かせないけれども人為的に与える必要のないものもあります。それは酸素、炭素、水素の3つです。これらは大気中や水に充分含まれており、植物自体が光合成によって体内で作り出すことができます。ですから与える必要はないのです  
 
  活力剤的な微量要素  
   ここまでで説明してきた9つの要素は特に多く必要とする成分でした。あとの残りはそれほどたくさん必要ではないけれども植物の生育に関係する「微量要素」で7つあります。これらの成分も不足すると生育に支障が来しますし、肥料の3大要素などの多量要素がしっかりと吸収されるためにも大切な役割を担っています。多量要素オンリーでは育たないし、微量要素オンリーでも植物は育たず、お互いに深いつながりがあります。  
 植物内で合成される酸素などをのぞいた多量要素が「植物が育つ上の大切な肥料成分」とするならここで説明する9要素は「植物の生育生理に必要な微量成分を補う活力剤」といえるでしょう。微量要素は土の中にも存在していますが長期間育てていると植物に吸収されたり水とともに流れ出たりして不足してしまいます。肥料要素ほどたくさん与える必要はありませんがそれを補うために必要なもので土にさす「アンプル」の形で商品が出回っています。植物の活力剤などの商品名で市販されているものには微量要素が含まれているものが多いです
 
  具体的に微量要素にはどのようなものがあるか  
   具体的に微量要素は次のものがあります。参考程度にご覧ください  
マンガンは植物が光合成を行う際に必要となる微量成分で二酸化炭素と関係が深い。不足すると葉が黄色くなったり病気にかかりやすくなります

ホウ素は根の生長と花つきに関係する成分です。不足すると新芽が枯れたり根の発育が阻害されます

は光合成に必要となる成分のひとつで光との関係が深い。不足すると生育が阻害されます

は新芽などが花や実の付く成熟した株になるために必要な成分です。不足すると葉が黄色くなったり新芽が枯れます

亜鉛は植物の成長する速さと深い関係があります。不足すると茎が寸づまりになったり生長が遅れたりします

塩素は光合成の際に植物が酸素を出すのに深く関わっています。不足すると植物全体が萎縮するなどの障害があります

モリブデンは硝酸還元を植物内で行う酵素です。不足すると植物体内に硝酸がたまってしまいます
 
  微量要素の不足については特に鉢植えで注意したい  
   微量要素はたくさん必要ではありませんが特に鉢植えでは土の量が限られていることと水とともに流れ出してしまうことが多いため不足しがちになります。常に気をつけている必要はありませんが長期間鉢植えで育てる場合は微量要素の入った活力剤などを使用するとよいでしょう  
 
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