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ヒガンバナ(リコリス・ラディアータ)の育て方

ヒガンバナヒガンバナ科 学名:Lycolis radiata  用途 鉢植え 露地植え
難易度 バー バー バー バー バー(ふつう)

耐寒性 バー バー バー バー バー(つよいほう)

中国の長江下流域が原産とされる球根植物です。秋の彼岸頃に花を咲かせるので、この名前があります。日本には古い時代に中国からやってきて根付いた史前帰化植物とされています

栽培カレンダー
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開花期
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植え付け
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肥料
  バー               バー  

季節・日常の手入れ ポイント
生長パターンを把握しよう

花が咲きおわり、花茎がパタンと倒れる中秋の頃から本格的に生長をはじめます。冬から春は細長い葉っぱをわさわさ茂らせ、たっぷりの日射しを浴びながら生長します。新緑がまぶしい初夏には葉っぱが枯れて、休眠して秋の開花に備えます。

開花~葉っぱが枯れるまで(中秋~春)が生長期でそれ以外の時期(初夏~初秋)が休眠期です。十分な水やりや肥料は生長期、植え替えや植え付けは休眠期にするなど、生長パターンに合わせた作業が大切になります。

日当たり・置き場所
適度に湿り気があって水はけと日当たりのよい場所が適しています。極端に乾燥する場所ではよく育たず、花付きも良くないです。野生のものも、河原や田んぼの畦、樹木の下など、適湿で水はけのよい環境でよく育っています。斜面なども水はけがよくて、よいでしょう。

特に葉っぱが出て生長している時期はよく日に当てるようにしましょう。休眠期は特に日当たりに気を遣う必要はありません。耐寒性や耐暑性は強いので、特に対策は要りません。

水やり・肥料

適度な湿り気、肥料も必要
鉢植えは葉っぱの茂っている生長期、乾いたらたっぷりと水を与えます。葉っぱが枯れた初夏~花が咲く彼岸頃までは適度に土が湿った状態をキープする程度(カラカラに乾かさないくらい)に水を与えます。露地植えは環境の合った場所なら、特に水やりは要りませんが、夏だけは地面の極端な乾燥に注意します。適湿を好みますが、過湿にすると球根が腐ってしまうので、常にじめじめ湿った状態はよくないです。

毎年花を咲かせるためには、球根に栄養を与える必要があります。植え付けるときにゆっくり効く肥料を土に混ぜ込んでおくほか、花後と葉がよく茂っている冬に少量の化成肥料を株元に与えます。球根を充実させるのが目的なので、チッソを控え、リンやカリの成分を多めに与えます。

用土
水はけがよくて、適湿を保てる土なら特に選ばずに育ちます。市販の草花用培養土や赤玉土と腐葉土を適当に混ぜたものなどを用います。

植え替え・植え付け
球根の植え付け植え付けは深さに注意

球根の植え付けは休眠期の7月~8月上旬に行います。

鉢植えでは5~6号鉢に1~3球が目安にし、球根の頭が地面に隠れる程度の浅植えにします。プランターの場合は深めのものが適しています。

地植えは深くまでよく耕し、球根の高さ1個分の深さに植え、葉が存外に茂るので球根同士は20~30cmくらい間隔を空けます。植え付けが浅すぎると、球根は増えますが花が少なくなります。

ヒガンバナは深く根を張る性質があります。鉢植えで地面すれすれに植えるのは、根が深く張れるスペースを確保するためです。地植えで深く耕すのも同じ理由です。

植え替え

一度植え付けると数年はそのままでかまいません。その方が元気に育ちますし、球根が増えていくと咲いたときにも見栄えがします。長年育てていると、球根が密集して地表へ上がってしまうことがあります。そうなると花立ちが悪くなるので、球根を分けて植え直しましょう。

適期は7月から8月の休眠期です。元来丈夫な植物なので、葉が茂っている生長期でも可能です。ただし、生長期の植え替えは根を傷めないよう深く掘りあげる必要があります。

ふやし方
増えた球根(子球)を外してふやします。子球は大きさにより差がありますが、花が咲くまでおおよそ2~3年かかります。

かかりやすい病害虫
過湿状態で、球根が腐る軟腐病にかかることがあります。

まとめ 
球根の植え付けは7月~8月に行います
やや湿り気があり、水はけのよい土壌を好みます
数年は植えっぱなしでかまわないです

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