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いかにも熱帯な色彩

ヘリコニア

ヘリコニア
科名:バショウ(オウムバナ)科
学名:Heliconia
原産地:南アメリカ 南太平洋諸島
草丈:50cm-7m(種により異なる)
開花期:6月~11月
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(ふつう)

くわしい育て方

〔〕内は学名、H.はHeliconiaの略

ヘリコニアとは

熱帯アメリカや南太平洋諸島に100種類以上が分布する、花後も枯れずに生長する多年草です。野生種同士が自然に掛け合わさった雑種も多くて、正確な数はわからないようです。以前はバショウ科でしたが、現在はそこから独立したオウムバナ科に分類することが多いです。

長い軸をもった大きな葉を左右交互に出します。軸の付け根は筒状に重なり合って、太くなり体をしっかり支えています。この部分は「偽茎(ぎけい)」と呼ばれます。地中には地下茎があり、「根茎(こんけい)」と呼ばれます。

偽茎から花茎を長く伸ばして、その先端に赤や黄色やオレンジ、グリーンに彩られた原色で派手な花穂を付けます。花穂は上に向かって伸びるものと垂れ下がるものがあります。派手に彩られている部分は正確に言うと、花を包んでいる「苞(ほう)」と言う部分で、実を結ぶ本来の花はその内部に付きます。苞は種によって形も様々です。その姿は二つ折りの舟形とか形容されますが、例えがなくて表現しにくい変わった形をしています。英名の1つである「ロブスター・クロー(ロブスターのはさみ)」などは苞の姿をうまく表現していると思います。

花が咲いた偽茎は後に枯れますが、地下茎から芽が出てきて葉っぱを広げ、新たな偽茎ができます。多くの種で、ハチドリがポリネーター(花粉を運んで受粉の手助けをする動物)となっています。

小型種は草丈50cmほどですが、大型種は7mほどに生長します。鉢植えや切り花として利用されます。ヘリコニアの名前はギリシア神話で芸術を司る女神が住んでいたと言うヘリコン山に由来し、花の美しさから来ていると思われます。

仲間 

ロストラタ〔H. rostrata〕
ペルーやハワイに分布する大型種で、草丈は3m~7mになります。花茎は下垂し、左右交互に15コ前後の派手な色彩の苞を付けます。

オウランティアカ〔H. aurantiaca〕
メキシコ~中米にかけて分布します。草丈は1mほどで、オレンジ色の苞を付けます。

ワグエリアナ〔H. wagneriana〕
南アメリカに分布します。日当たりの良い水辺などに自生します。花茎は葉鞘に隠れて見えません。

プシッタコルム〔H. psittacorum〕
西インド諸島~南アメリカに分布します。オレンジ色の花を咲かせる小型種で、草丈は90cmほどになります。茎がまっすぐ伸び、切り花にも利用されます。

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