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白くてほそい花、夜香る

ハマユウ

ハマユウ
科名:ヒガンバナ科
学名:Crinum asiaticum var. japonicum
和名:ハマオモト
原産地:日本
草丈:30cm-80cm
開花期:7月~9月

ハマユウとは

日本や韓国の済州島に分布する毎年花を咲かせる多年草で、主に海岸線に群生します。正式な和名はハマオモト(浜万年青)ですが、ハマユウの名前でもよく知られています。日本の平均気温15℃の地域を結んだラインをハマオモト線と呼び、このラインより南の地域に自生します。北限は房総、三浦半島になります。

葉は生長点を芯として、そこに葉っぱの付け根部分(葉鞘)がぐるりと巻き付いて円柱状の球根(鱗茎)を作ります。球根と言っても地面から大きく突き出した幹のようで、大きくなると高さ50cm、太いところで直径15cm程になります。

葉っぱは先端の尖った帯状で、表面には光沢があります。長さは50cm~80cmで球根から斜め上に向かって伸びます。開花期は7月~9月、中空の太い花茎を長く伸ばしてその先端に10数輪の花を咲かせます。花は夜に開いて芳香を放ちます。花びらは白で細長くて基本は6枚、付け根の部分でくっついています。雄しべ(花糸)は下の方が白で上の方に行くと紫色になります。種子は径2cmほどでコルク質の皮に被われているので水に浮きます。海岸線に沿って広く分布しているのは、このタネが海に流されていくからではないかと考えられています。

由来・歴史

ハマユウは「浜木綿」の次を当てます。「ハマ」は海岸線に自生するところに由来します。「ユウ」の語源は、白っぽく枯れた葉鞘が「白木綿」を巻き付けた様に見えるので、花びらが楮の木から採った繊維「木綿-ゆう-」に似ているところからなど諸説あります。ハマオモトは浜に生えるオモトに似た植物、と言う意味です。

日本でハマユウの記録がはじめて出てくるのは万葉集です。園芸的に栽培されるようになった時期ははっきりしませんが、花壇綱目(1681刊)に栽培の注意点などが記載されており、江戸時代には栽培されていたと思われます。

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