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沼地の女神

ハエトリソウ

ハエトリソウ
科名:モウセンゴケ科
学名:Dionaea muscipula
別名:ハエジゴク ディオネア
原産地:北アメリカ
(ノースカロライナ・サウスカロライナ)
草丈:5cm-10cm
開花期:5月~6月
栽培難易度:バー バー バー バー バー
(そだてやすい)

くわしい育て方

ハエトリソウとは

葉のつくり北アメリカのノース・カロライナ、サウス・カロライナを故郷とする食虫植物です。地面を踏むとじゅわっと水がしみ出てくるような浅めの湿地に自生します。珍奇な姿やダイナミックに動いて虫を捕らえるおもしろさなど、わかりやすい魅力が多くて広く知られている、メジャーな食虫植物です。

葉の軸(葉柄)の先端に真ん中でパタンと折りたためる1対の葉っぱ(葉身)がつきます。葉のフチには歯や牙を連想させるような針状のトゲ(刺毛)が並び、内側には左右3本ずつ「感覚毛」と呼ばれる短い毛のような突起があります。刺の縁には虫をおびき寄せる蜜腺、さらに内側には消化液を分泌する腺毛があります。寒さなどで葉っぱが枯れても地中にある球根(鱗茎)が残って、再び芽吹きます。

葉が立ち上がるものや、地面にべちゃと寝るように生えているものなど、多少株ごとに葉の生え方に個体差があるようですが、野生種は基本1種のみです。ただ、全体が赤っぽかったり、葉の縁のとげの形が違うものなど多くの園芸品種があり、バラエティーは豊富です。5~6月に5枚の花びらをもった、直径1.5cmほどの白い花を咲かせます。

由来

属名のディオネアは女神ビーナスと言う意味です。英名のビーナス・フライトラップは「ビーナス=女性器」と言う意味で、葉身の形や動きを女性器に見立てたものとされます。洒落の効いた粋なネーミングセンスだと思います。また、キレイに並ぶ刺毛をビーナスのまつげに見立てたと言う説もあります。フライトラップは「ハエとり器」ですが、ハエトリソウの意味もあります。

虫を捕らえるしくみ

虫などが葉っぱに侵入して感覚毛が2度刺激を受けると、あっという間に左右の葉がぴったりと閉じます。葉の閉じるスピードはおよそ0.5秒とされています。確実に捕獲するためか、1度の刺激では反応しません。

フチの針状のトゲはかみ合い、閉じこめられた虫が逃げられないような仕組みになっています。葉の閉じる力は強く、基本的な虫の死因は葉にサンドイッチされたことよる圧死です。つぶされた虫は、溶かされて栄養になり、翅(はね)や外骨格だけ殻のように残ります。

虫は1週間ほどで消化され、葉っぱは再び開きます。1対の葉っぱで通常2~3回、多くて4~5回開閉します。その後はエネルギー切れで閉じなくなります。 虫がいない状態で葉っぱが閉じた場合は、1~2日で開きます。

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