何とも奇妙な花姿

アリストロキアとは

ウマノスズグサ科 「あ」からはじまる植物

アリストロキア ベルビアナ
アリストロキア・ベルビアナ
この植物の育て方
科名
ウマノスズグサ科
学名
Aristolochia
別名
パイプカズラ など
原産地
世界の熱帯 亜熱帯
大きさ
つるが長く伸びる
開花期
主に5月~10月
難易度
★★★☆☆(ふつう)

こんな植物です

世界の熱帯~温帯に300種以上が分布します。多くはつるを長く伸ばす草花もしくは低木で、地下に球根(根茎)をつくるものもあります。植物園の温室などでは見ることがありますが、一般に栽培されているのは言うほど見ません。日本にもウマノスズグサをはじめおよそ6種が自生します。

種によって姿は様々ですが、どれも奇妙でおもしろい形の花を咲かせるのが、一番わかりやすい共通点です。花色は地味なものが多いですが、その姿と非常にマッチしています。一般的に言う「美しい」と言うのとはまた違った個性的な姿が最大の魅力でしょう。

花びらは退化して、代わりにがくが大きく発達します。がくは筒状でぐにゃりと曲がって先端が開くものが多いです。主な開花期は気温の高い初夏~秋で、成熟したものは悪臭を放つものがあります。果実や球根は薬用とされるものもあります。

種によって差はありますが、基本的に寒さに弱いものが多く、鉢植えにして冬は防寒して育てます。。

名前の由来

属名のアリストロキアはギリシア語のアリストス(aristos:良い)とロキス(locheis:出産)の二語からなり、ある種が安産に効果がある、とされていたことにちなみます。また、花(がく)の筒状になった部分が胎児のように見えるから、と言う説もあります。


主な仲間

ギガンテア〔A. gigantea〕

ブラジル原産のつる性低木で、植物園での遭遇率は比較的高いであろう種です。ギガンテアは「巨大な」の意で、アリストロキアの中でも大きな花を咲かせます。花は先端が大きくだらーんと開きタテ20cmヨコ15cm程になります。花色は紫がかった褐色で白っぽい編み目が全体にびっしりと入ります。大きくなると幹はコルク質の樹皮に覆われます。

エレガンス(リットラリス)〔A. eregans ( =A. littoralis)〕

ブラジル原産のつる性低木、日本には明治時代に入ってきたとされます。花の筒状の部分は基部がぷっくりふくらんでおり、パイプのようにも見えるのでパイプカズラの別名があります。開いた花びらは正面から見ると丸っこく、大きさは径5cm程になります。花色は紫褐色で白い編み目が入ります。花には異臭がなく比較的とっつきやすいです。

トリカウダタ〔A. tricaudata〕

メキシコ原産で枝はまっすぐ伸び、つるにはなりません。開いた花は3点がひも状の伸び、先端がよじれます。花色は濃い赤褐色で表面には光沢があります。

フィムブリアータ〔A. fimbriata〕

アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルに分布し、茎は地面を這うように伸びます。花は小さく目立ちませんが、丸みのある葉は葉脈に沿って白緑色になり美しいです。

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