個性的な色や姿の葉っぱ

アローカシアとは

サトイモ科 「あ」からはじまる植物

アローカシア クブレア
アローカシア・クブレア
この植物の育て方
科名
サトイモ科
学名
Alocasia
原産地
熱帯アジア
大きさ
高さ30cm~2m
開花期
------
難易度
種により異なる

こんな植物です

アジアの熱帯を中心に約70種類が分布する多年草で、日本にも沖縄など南西諸島に3種が自生します。茎が肥大した根茎(イモ)をもちます。根茎は地中にできるものもあれば、地表に露出するものもあります。葉が大きくて美しいものが多く、主に観葉植物として楽しみます。草丈や株サイズの割に葉っぱが非常に大きいのが特徴です。葉の形はハート型、盾型、矢じり型などがあり、色や模様も種によって様々です。寒さに弱いものが多く、特に耐寒性で劣る熱帯性の種は扱いづらいです。

花はサトイモ科でよく見られる肉穂花序(にくすいかじょ)です。俗っぽいくとあまり花らしい姿ではなく、鑑賞価値はさほど高くないです。また、一定の高温を一年を通して保たないと十全に生長できず、クワズイモのように耐寒性の強い強健種以外は開花しにくいです。花後に短いトウモロコシのような粒々の実が出来ます。熟すとツヤのある赤色になり美しいです。

名前の由来

アローカシアはサトイモ属を表す「Colocasia(コロカシア)」に否定の「a」を付けたもので、「サトイモ属ではない」という意味です。その名の示すとおり、サトイモ属とは非常に似ていますが、花の構造などからはっきりと区別されています。

一部の和名にも用いられるクワズイモは「食べられないイモ」という意味です。シュウ酸カルシウムが含まれており、食用には適しません。

主な仲間(クワズイモ系)

〔〕内は学名、A.はAlocasiaの略

明確な分類形態ではないですが、便宜上「クワズイモ系」と「熱帯系」に分けて説明します(実際はそんな呼び名はありません)。クワズイモ系は節のあるずんぐりとした茎が直立し、その先端に軸の長い大きな葉を広げます。耐寒性に優れて育てやすい種が多く、中~大型の観葉植物として普及しています。

クワズイモ〔A. odorata〕

インド北部~中国、台湾、南西諸島~四国南部まで広く分布する。特に耐寒性に優れる強健種だがやや地味な雰囲気で他の種に比べると鑑賞価値はやや劣る。

インドクワズイモ〔A. macrorrhiza〕

東南アジア~太平洋諸島に分布する。非常に大型で葉の長さは1mを超し、葉の大きさを合わせると高さは3mに達することがある。葉に白い模様が入るシロフイリクワズイモ〔var. variegata〕は鑑賞価値が高い。

シマクワズイモ〔A. cucullata〕

インド東部~中国南部、南西諸島に分布。葉は先端のとがったハート型でクワズイモ系の中では小型。


主な仲間(熱帯系)

特に高温多湿を好み、耐寒性はほぼありません。地中に根茎をつくるものが多い。葉の形や色が非常に多彩で美しく鑑賞価値が高い。育てにくい。

アマゾニカ〔A. × amazonica〕

2種が掛け合わさってできた交雑種。正面から見たキツネのような形の葉をもちます。色はワックスを塗ったようななツヤツヤした光沢があり、深緑で葉脈の部分がくっきりと白くなり、そのコントラストが美しい。

クプレア〔A. cuprea〕

葉はだ円形の盾型で、色は緑褐色でいぶされた金属のような鈍い光沢がある。葉脈の間があばら骨のように浮き上がった姿が印象的。クプレアは「赤銅色の」の意で葉色に由来。

カディエリ〔A. cadieri〕

ベトナム原産、葉は正面から見たキツネのような姿で白い葉脈が目立つ。色は暗緑色でビロードのような落ち着いた光沢がある。

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